子どものあざは消えないの?発症しやすいあざの種類と治療法を解説
子どもにあざが発症し消えないと、病気ではないのかと心配です。
今回は、子どもが発症しやすいあざの種類と消失の割合、治療法を解説します。
自然に消えにくい子どものあざの種類
子どものあざは体内の血管や細胞が関係しているため、自然と消えないこともあります。
色や大きさ、形状に変化が現れるあざも多いです。
- 濃くなる
- 大きくなる
- 広がる
- デコボコになる
あざは放置せず、クリニックで相談することをおすすめします。
子どもが発症しやすいあざの種類と特徴、消失の割合を解説します。
赤あざ
赤あざは血管内皮細胞の増殖や血管形成の異常など、血管が原因で現れるあざです。
生まれつきや生後数週間で現れることが多いです。
名称 | 種類 | 特徴 | 消失の割合 |
---|---|---|---|
乳児血管腫 | 局面型 | 赤くて盛り上がりがない | 75%が7歳ごろまでに消失 |
腫瘤型 | 盛り上がっている | ||
皮下型 | 肌の色か青色で盛り上がりだけある | ||
単純性血管腫 | サーモンパッチ | 平らで凹凸がなく、かぶれのようにも見える 指で押すと一瞬色が薄くなり、泣いたり入浴したりして血行が良くなると色が濃くなる |
50%が1歳ごろまでに消失 |
ウンナ母斑 | 50%が3歳ごろまでに消失 | ||
ポートワイン母斑 | 平らで赤く境界線がはっきりとしている | 消えない | |
毛細血管拡張症 | 単純型 | 赤い線が直線または少し曲がっている | 消えない |
樹枝状型 | 樹木の枝のように枝分かれしている | ||
クモ状型 | クモの巣のように放射線状に広がっている | ||
丘疹型 | 皮膚の表面に小さく赤い盛り上がりがある | ||
紅斑型 | 赤みの境界がぼやけており、広がって見える 温度変化や飲酒、紫外線などの影響で赤みが強くなる |
腫瘤型の乳児血管腫は生後5カ月までに急速に拡大します。すぐにクリニックに相談してください。
詳しくはこちらでも解説しています。併せてご覧ください。
青あざ
青あざはメラノサイトの異常な増殖や色素沈着が原因で現れます。
深い層にメラニンが増えたり沈着したことにより青く見えるのです。
生まれつきから生後数カ月で現れます。
名称 | 特徴 | 消失の割合 |
---|---|---|
太田母斑 | 額や頬、まぶたなど顔の片側のみに現れる | 消えない |
伊藤母斑 | 肩周辺を中心に鎖骨や腕など片側のみに現れる | |
異所性蒙古斑 | お尻や腰以外に出た蒙古斑 | 薄いものは7歳頃までに消えることがある |
詳しくはこちらでも解説しています。併せてご覧ください。
茶・黒あざ
茶あざはメラノサイトによってメラニンが過剰に増えた状態です。浅い層に増えたことで茶色に見えています。
黒あざはメラノサイトが集合して黒く見えるあざです。
名称 | 種類 | 特徴 | 消失の割合 |
---|---|---|---|
扁平母斑 ベッカー母斑 |
カフェオレ色のあざ 毛が生えているのはベッカー母斑 |
消えない | |
外傷性色素沈着症 | 傷口に異物が入っている 周囲の皮膚に比べて色が濃い 青~黒色 |
||
表皮母斑 | 限局型 | 表面がザラザラとした凹凸 一カ所、またはさまざまな部位に固まっている |
|
広範型 | 表面がザラザラとした凹凸 体や手足に線状に並んでいる |
||
炎症型 | 表面がザラザラとした凹凸 硬く薄い淡紅色のあざが線状に並んでいる 強いかゆみを伴う |
||
色素細胞性母斑 | ほくろ | 茶色~黒色のあざ 大きさは数mm〜1.5cm |
|
通常型 | 茶色~黒色のあざ 1.5cm~ 硬い毛が生えていることもある |
||
巨大型 | 茶色~黒色のあざ 体は6cm以上、頭は9cm以上の大きさ |
黒あざは悪性化のリスクが高めです。巨大型が特に高いですが、通常型やほくろもまれに悪性化します。
詳しくはこちらでも解説しています。併せてご覧ください。
子どものあざの治療法
子どものあざはレーザー治療が推奨されています。
レーザーは血管やメラニンに直接アプローチするため、皮膚へのダメージが少ないです。また、色素に反応するレーザーを使用し効果的に治療ができます。
ほかにも医師の判断によって内服薬と併用したり手術を行ったりもしますが、レーザーに比べて副作用やリスクが高めです。
レーザー治療で子どものあざが消えない理由
レーザーで治療してもあざが消えない場合があります。
主な原因は以下の通りです。
- 施術回数が足りない
- 出力が弱い
あざが消えない理由を解説します。
施術回数が足りない
子どものあざが消えない場合、施術回数が少ない可能性があります。
あざは一度レーザーを受けただけではほぼ治りません。肌トラブルや副作用のリスクが高く、少しずつ治療する必要があるためです。
また、あざの状態を見ながら治療の調整をしたり、サイズや深さによってはレーザーの光が届かなかったりもします。
そのため、複数回の施術が必要になるのです。
あざの種類 | レーザー回数 |
---|---|
乳児血管腫 | 5~10回 |
単純性血管腫 | 約10回 |
毛細血管拡張症 | 約5回 |
太田母斑 | 2~5回 |
伊藤母斑 | |
異所性蒙古斑 | |
扁平母斑 ベッカー母斑 |
まずは1回 効果を実感出来れば2回~ |
外傷性色素沈着症 | 約5回 |
表皮母斑 | 1回~ |
色素細胞性母斑 | 大きさや深さによって異なる |
レーザーの設定が低い
レーザーの設定が低いと、あざが消えるまでに時間がかかります。
子どもの皮膚は大人の約半分しかありません。そのため、治療する際はやけどなどをしないようにレーザーの設定を低くする必要があるのです。
そのため、あざが消えない、消えるのに時間がかかることがあります。
子どものあざに関するよくある質問
子どものあざに関する質問です。
疑問がある方は確認してみましょう。
子どものあざが消えない場合、病気の可能性はある?
血友病や紫斑病など、病気が原因であざが発症することはあります。
以下の場合は病気の可能性があります。
- 痛みや腫れを伴う
- あざのほかに出血を伴う
- あざが突然増える
- 急速に大きくなる
心配な方はクリニックに相談してください。
消えない打撲のあざがほかのあざの原因になることはある?
打撲のあざがほかのあざの原因になることはありません。発症の原因が違うためです。
打撲のあざは外的な衝撃で血管が破れ血液が皮膚の下に漏れ出したもので、吸収されると自然と消えます。
ほかのあざは血管の異常や細胞の増殖、メラニンの異常など体内の異常が原因です。
原因が違うため、関連はありません。
消えない子どものあざはクリニック茗荷谷に相談を
子供のあざは消えないことが多いです。治療をしないと成人後も残ることになります。
子どものあざの相談はクリニック茗荷谷にご相談ください。
子どものあざ治療に特化しており、さまざまなケースに対応できます。見たことや聞いたことがないあざでも安心して相談できますよ。
記事監修者プロフィール
院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
-
- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
-
- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医