新生児の単純性血管腫治療に適したVbeamレーザーを詳しく解説
単純性血管腫は新生児のころから見られる赤いあざです。
治療したくても体が出来上がっていない新生児には、最善の治療を選ばないとリスクがあります。
この記事では新生児の単純性血管腫治療について解説します。
新生児の単純性血管腫を治療したい方は最後まで読んでみてください。
新生児の単純性血管腫の治療に適したVbeamレーザーとは
新生児の単純性血管腫の治療には「Vbeamレーザー」が適しています。
単純性血管腫は境界線がはっきりとした平らな赤いあざです。血管形成の異常によって性差なく新生児の1000人に3人の割合で発症します。
血液内の色素に反応するレーザーを使用したVbeamレーザーは、血管にピンポイントで作用するため肌への負担が少ないです。
また、新生児のうちなら以下のようなメリットもあります。
- 代謝がよく肌の回復が早い
- 後遺症が残るリスクを減らせる
- 手術で怖い思いをしても記憶に残りにくい
そのため、単純性血管腫の治療は新生児のうちからVbeamレーザーで早期治療を行うのがおすすめです。
実際、Ulrike Nikfarjam, Joanna Wegner, Stephan Grabbe, Hadrian Schepler, Eva Juchems””Significance of the pulsed dye laser in treatment of acral infantile hemangioma””の論文では、治療開始時の平均年齢は3.6か月(範囲は1.5~7か月)で平均5.6回のセッション(範囲4〜7回)の5.8か月(範囲3〜8か月)の治療期間であざが消失したというデータもあります。
infantile hemangiomas are the most common benign tumors in childhood [1). They are characterized by a rapid growth with in a few days up to weeks after birth.Most hemangiomas recede spontaneously and do not require therapy. However, in case of persistence, there are possibk, complications such as ulcerations, functional limit-ations and a potential risk of stigmatization [2). This can be avoided by early therapy. When treatment is required, oral propranolol therapy is recommended as first-line therapy.Second-line therapies include laser, cryotherapy and surgery.Due to their localization, acral hemangiomas are at parti-cular risk to become symptomatic. Thus, proactive treatment of these lesions is recommended. A series of eight children with superficial acral hemangiomas (four on the upper and four on the lower extremities) treated with a pulsed dye laser (SPTL 1a, S arplan; Vbeam Perfecta, Candela Lasers) were analyzed retrospectively (Figures 1-3). Clinical examination was performed to differentiate between superficial and deep hemangiomas, as well as co-assessment in the pediatric de-partment and occasional duplex sonographic examinations.Laser wavelength varied from 585 nm to 595 nm. Treatment was possible in all cases without any general or local anes-thesia. A cooling function integrated in the laser devices was used in order to reduce pain. In addition, one parent was pre-sent who was calming the child during the laser treatment.The children appeared not to experience any stronger pain during the treatment but found the associated protective measures (laser safety glasses, cooling function) frightening.Immediately after the treatment, which only lasted a few se-conds,the child could be embraced by the parents.The children’s mean age was 3.6 months (range 1.5-7 months) at the beginning of their treatment. In the ma-jority of the cases a treatment period of 5.8 months (range 3-8 months) with an average of 5.6 sessions (range 4-7 ses-sions) was necessary to receive a complete extinction of the clinical findings. Only one child suffered from a temporary slight maceration without a sequela (Table 1).
Vbeamレーザーで新生児を治療するリスク
Vbeamレーザーで新生児の単純性血管腫を治療する場合、肌トラブルが起きるリスクがあります。
新生児の皮膚の厚さは大人の約半分くらいです。大人と同じような出力でVbeamレーザーを照射すると、肌トラブルが起きる可能性があります。
- 赤みや痛み、やけどなど副作用のリスクがある
- 色素沈着が起こる可能性がある
- 傷跡になるリスクがある
しかし新生児は代謝がよく大人よりも回復が早いです。
単純性血管腫を治療するなら新生児のうちに行い、治療後はしっかりとケアをすることが大切です。
Vbeamレーザーによる治療の経過
Vbeamレーザーで治療したあと単純性血管腫の色が赤紫色に変化しますが、問題はありません。紫班とも呼ばれる内出血で自然な反応だからです。
また、丸いビーム状にレーザーを照射するため、マダラ模様に赤みが増すこともあります。
濃くなり悪化したような印象を受けますが、1週間程度で治まるため気にしなくても大丈夫です。
こちらで詳しく解説しています。併せてご覧ください。
Vbeamレーザーによる単純性血管腫治療の施術回数と期間
Vbeamレーザーによる単純性血管腫の治療は、新生児に限らず1回では完治しません。
強い出力で一度に効果を出そうとすると、やけどなど肌トラブルのリスクがあるためです。また、治療は浅いところから少しずつ行います。
治療後に期間を開けるのは治療の経過確認や肌の回復、副作用の発症などのためです。
医師の指示通りに行わなかった場合、副作用が悪化したり肌トラブルを引き起こしたりする可能性があります。ぜったいにやめましょう。
Vbeamレーザーによる単純性血管腫治療の費用
Vbeamレーザーによる単純性血管腫の費用は、サイズによって異なります。
面積 | 10㎠ | 20㎠ | 30㎠ | 40㎠ |
---|---|---|---|---|
費用 | 21,700円 | 26,700円 | 31,700円 | 36,700円 |
保険適用 (3割負担) |
6,510円 | 8,010円 | 9,510円 | 11,010円 |
単純性血管腫の治療は保険適用で、負担は3割です。回数などの制限はありません。
小学校入学前の乳幼児であれば「こども医療費助成制度」の申請・手続きによって、自己負担額を減らせます。
また、東京23区の場合は高校生まで自己負担額がなく、無料で治療を受けられます。
皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷は子どものあざ治療に特化した医療機関です。治療するクリニックで悩んでいる方は、ぜひご検討ください。
新生児の単純性血管腫治療ならクリニック茗荷谷へ
単純性血管腫を治療するなら、回復が早く治療もしやすい新生児のうちに行うのがおすすめです。
しかし新生児は皮膚が薄く肌トラブルのリスクがあるため、治療後にはしっかりとケアを行う必要があります。
新生児の単純性血管腫治療を行うなら皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷に相談してください。
子供にもご両親にも配慮するため、安心して治療を受けられますよ。
記事監修者プロフィール
院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
-
- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
-
- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医