単純性血管腫の最新治療は?人気のVbeamレーザーについて詳しく解説
単純性血管腫は、完治が難しいあざです。
完全にあざを消したくても、どうなるかと不安があります。
この記事では、単純性血管腫の最新治療Vbeamレーザーについて解説します。
単純性血管腫を治療したい方は、最後まで読んでみてください。
単純性血管腫とは?
単純性血管腫は顔や体に出る鮮やかな赤いあざのことです。生まれつき発症することが多く、境界線がはっきりして平らなのが特徴です。
単純性血管腫は自然には消えません。
放置すると面積が広がったり盛り上がって凹凸になったりして治療が難しくなり、出血がしやすくなります。
単純性血管腫は、早期治療がおすすめです。
子どものうちは皮膚が薄く回復力も高いため、大人になってから治療するより施術回数が少なく済みます。
こちらでも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
単純性血管腫の最新治療Vbeamレーザーとは
単純性血管腫の最新治療で使用するのは、Vbeamレーザーです。
冷却システムや出力調整など、最新の機能があります。赤ちゃんから大人まで幅広く治療できます。
Vbeamレーザーについて、詳しく解説します。
【レーザー治療のしくみ】
- 血液中の色素に反応して熱に代わるレーザーで、血管の壁を破壊する
- 熱による凝固作用で、血管の壁がふさがる
- 血流が途絶えて血管が縮まり、単純性血管腫が改善する
また、実際にPDL(Vbeam)レーザーは、治療効果があります。
869名の血管腫患者を対象に、Vbeamレーザーは血管腫の原因である血管を破壊し、副作用もほぼなく、治療効果があるという研究がなされました。
Eva Remlova, Tatjana Dostalová, Iva Michalusová, Jana Vránová, Leoš Navrátil, and Jozef Rosina“”Hemangioma Curative Effect of PDL, Alexandrite, Er:YAG and CO2 Lasers””(Photomedicine and Laser SurgeryVol. 29, No. 12
Published Online: 7 December 2011Methods: A group of 869 consecutive patients with hemangioma was retrospectively reviewed. The patients including in our study were divided into four groups according to the type of laser used: Alexandrite laser (n=85, 58 women and 20 men), CO2 laser (n=78, 58 women and 20 men), Er:YAG laser (n=105, 87 women and 18 men), and PDL laser (n=601, 453 women and 148 men). All patients were treated in one session without anesthesia application. The ablative systems vaporized the tissues until the hemangioma was removed. The non-ablative systems used one shot, which destroyed the hemangioma blood vessels. Results: For the treatment efficacy analysis, the following factors were evaluated: therapeutic effect (yes vs. no), loss of pigment (yes vs. no), and appearance of scar (yes vs. no). From results it was evident that the therapeutic effect of all the lasers except alexandrite was very high; almost 100%. In the CO2 and the Er:YAG laser groups a high percentage of side effects was also observed. Exposure to these lasers caused loss of pigment and scar formation in many cases. The best therapeutic effect, with only minor side effects, has been achieved with the PDL laser.
Conclusion: It was confirmed that PDL (595 nm, 1.5 ms, 7 mm, 9 – 11 J/cm2) had optimal effect without scars. Er:YAG or CO2 laser radiation with specific characteristics was also useful for small superficial lesions.
【症例写真】
実際に治療して以下の写真のような変化が生じました。
Vbeamレーザーのメリット
Vbeamレーザーの最大のメリットは、肌への負担が少ないことです。
血液中の色素に反応するレーザーを使用するため、血管にピンポイントで照射します。
出力や照射時間を細かく調整でき、進化した冷却システムも搭載しています。
そのため、肌への負担が少なく、以下のような利点があります。
- 出力調整や冷却機能によって、痛みを抑えられる
- 肌への負担が少なく、回復が早い
- 安全性が高く、赤ん坊でも治療できる
単純性血管腫の最新治療をするなら、Vbeamレーザーがおすすめです。
Vbeamレーザーのデメリット
単純性血管腫の治療でVbeamレーザーのデメリットは、一度で完治が見込めないという点です。
一度で効果を出そうとするとやけどをしてしまいます。また、皮膚の浅いところから少しずつ治療をしていきます。
そのため、以下のことを知っておきましょう。
- 一度の治療ではやけどをしてしまうため、1回では完治しない
- 完治するまで週1~3カ月間隔で、複数回クリニックに通う必要がある
Vbeamレーザーで単純性血管腫を治療する際は、デメリットについてしっかりと把握しておくことが大切です。
単純性血管腫の施術回数や期間
単純性血管腫をVbeamレーザーで治療する際の回数や期間は、以下のとおりです。
かかる施術回数 | 施術期間(週1~3カ月間隔) |
---|---|
3回~ (10回以上の場合もあります) |
約3年 |
施術を受ける際は、1週間〜3カ月の間隔を開ける必要があります。治療の経過確認や皮膚の回復、副作用の発症などのためです。
医師の指示通りに治療を行えない場合、肌トラブルを引き起こしたり、副作用が悪化したりする可能性があるため、注意してください。
こちらでも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
単純性血管腫治療の費用
単純性血管腫の治療にかかる費用は、以下のとおりです。
面積 | 10㎠ | 20㎠ | 30㎠ | 40㎠ |
---|---|---|---|---|
費用 | 21,700円 | 26,700円 | 31,700円 | 36,700円 |
保険適用 (3割負担) |
6,510円 | 8,010円 | 9,510円 | 11,010円 |
単純性血管腫の治療は保険適用で、回数の制限などがありません。
ほかにも、小学校に入学する前の乳幼児であれば、「こども医療費助成制度」の申請や手続きを行うことで自己負担額を減らせます。
また、東京23区の場合は高校生まで自己負担額がなく、無料で治療を受けられます。
Vbeamレーザー治療を受けられない方
以下の方は、Vbeamレーザーによる治療を受けられない可能性があります。
- 光過敏症の方
- 皮膚に疾患がある方(アトピー性皮膚炎・皮膚感染症・ヘルペスなど)
- 心臓病の方
- 日焼けをしている方
- 特定の薬を服用・使用している方(抗生物質など)
症状が悪化したり、思わぬ副作用を発症したりする可能性があるからです。やけどや色素沈着のリスク、皮膚疾患の悪化、心拍数や血圧への影響などが考えられます。
何らかの疾患がある方や薬を服用・使用している方など、心当たりがある方はカウンセリング時に必ず医師に相談してください。
単純性血管腫についてよくある質問
単純性血管腫でよくある質問と答えです。
最新治療についての質問もあります。疑問や不安がある方は読んでみてください。
最新治療を受ける際の注意点は?
医師が最新治療に精通しているかを確認する必要があります。
医師に最新治療の知識や経験がなければ安全とは言えません。感染症や合併症を発症したり、やけどなどの肌トラブルが起きたりする可能性があります。
医師は最新治療の経験が豊富で技術力があるか、確認してみましょう。
クリニックのホームページやSNS、YouTube動画などをチェックしてください。症例写真や症例数、施術動画などが参考になります。
実際に施術を受けた方の口コミなどもおすすめです。
最新治療なら大人になってからでも単純性血管腫は治る?
完治するかどうかは、個人差があります。
大人になると皮膚の厚さや回復力に個人差があるためです。
また、大人になるまで放置をすると、面積が広がったり盛り上がったりして、治療自体も難しくなります。
そのため、最新治療でも100%完全に治るとは言えません。単純性血管腫の治療をするなら、子どものうちに早期治療をするのがおすすめです。
単純性血管腫は何人に1人の割合で発症するの?
単純性血管腫が発症する割合は1,000人に3人、性別は無関係です。
単純性血管腫の最新治療なら皮ふと子どものあざ茗荷谷クリニックへ
単純性血管腫を治したいなら、最新治療のVbeamレーザーがおすすめです。
肌に優しく回復も早く、新生児を含む赤ちゃんにも施術ができます。
単純性血管腫を治療したいなら、皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷に相談してください。治療が早いほど、負担が少なく済みます。
記事監修者プロフィール
院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
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- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
-
- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医