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赤あざは生まれつき?赤あざの治療方法について専門医が詳しく紹介

「子どもの生まれつきある赤あざが気になる」「赤ちゃんの赤あざ、一生治らないままなのだろうか」と不安に思っている方は少なくありません。

赤あざはクリニックできれいに治療を行うことができます。

また、東京23区では高校生までは無料で治療を受けることができます。

今回は赤あざをきれいにする治療法について紹介します。

赤あざの原因は生まれつき?その発生メカニズムについて

生まれたばかりの赤ちゃんの肌に赤あざがあったら、心配ですよね。

あざができる原因は、血管の数や形が正常でないことや、血管を作る細胞が集まった状態など、局所的異常や遺伝などがあげられます。

ただし、なぜ生まれつき赤ちゃんに赤あざがあるのか、その原因についてはよくわかっていません。

赤あざは血管腫や毛細血管拡張症ともよばれ、血管の異常で拡張したり増殖することでできる良性の腫瘍で、顔では、おでこや眉間、まぶたなどのできやすいですが、その他全身どこにでもできる可能性があります。

こちらインスタグラムでも詳しく解説していますので併せてご覧ください。

赤あざは、成長に伴い拡大する単純血管腫、一時的に拡大するいちご状血管腫、赤い線状の毛細血管拡張症の、大きく3つに分類されます。

単純血管腫

胎児期における血管の形成異常で発生するため生まれた時からできている赤あざのことをさします。

あざができる部位によってそれぞれサーモンパッチ、ウンナ母斑、ポートワイン母斑に区別されます。

1.ポートワイン母斑(狭義の単純性血管腫)

全身にできる赤あざで自然に消えることなく、成長とともに拡大していきます。

治療しないと隆起しデコボコしてしまうこともあるあざです。

また、四肢の片側だけに出た場合、長さや太さに左右差が生じる可能性があるので全身検査や早期治療が必要です。

2.サーモンパッチ

新生児の30%に見られます。

顔に出現し、お風呂や泣いた後など血流が良くなると濃くなります。

生後2歳ごろまでに自然に治ることが一般的ですが、色調が濃い場合は残る場合があります。

3.ウンナ母斑

うなじから後頭部にかけてできる赤あざです。

凹凸がなく指で押すと色が薄くなり、指を離すと元に戻るのが特徴的で、約50%は3歳までに薄くなります。

いちご状血管腫

未熟な血管の壁を作る細胞が増えることでできるあざの一種で、別名「乳児血管腫」とも呼ばれます。

平ら、盛り上がり、皮膚の下の3種類があります。

生後2週間ほどで発症し、生後5か月頃までに完成形の80%まで拡大します。

いちご状の血管腫は7歳頃までに75%の幼児で消失すると言われています。

以下の論文では、出生から1歳までのすべての乳児の10.1%に血管腫が存在していましたが、この発生率は5歳以上の小児では1.5%にまで低下しており、血管腫が自然消退することを裏付けています。

A review of the literature on the natural history of strawberry hemangiomas revealed over-whelming evidence of the satisfactory spontaneous involution of over 95 per cent of these lesions without the scarring and danger of other sequelae inherent in the various forms of treatment. In a study of 105 strawberry nevi observed for more than one year, 97 per cent of the lesions had either completely disappeared or were regressing satisfactorily.A cross-section study of 1,735 consecutively examined children in routine pediatric practice showed hemangiomas to be present in 10.1 per cent of all infants from birth to one year of age but that this incidence drops to 1.5 per cent in children over five years of age, confirming the fact of spontaneous involution.

A. H. Jacobs “”Strawberry hemangiomas; the natural history of the untreated lesion.””1957年5月1日

毛細血管拡張症

皮ふから赤い血管の筋が透けて見える症状です。

頬や鼻に出やすく、症状により「単純型・線状型」、「クモ状型」、「丘疹型」、「紅斑型」の4つに分類されます。

毛細血管が拡張した状態なので自然に消えることはありません。

積極的にレーザー治療を行います。

皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷での赤あざの治療方法について

当院では、赤あざの治療はすべて「Vbeam」というレーザーを使って治療を行っていきます。

レーザー治療は保険適用で受けることができます。

いちご状血管腫は成長とともに消失する可能性がありますが、
目立つ部位、機能に影響する部位(目の周りなど)、隆起が強い部位、機能に影響する部位(目の周りなど)、隆起が強い場合などには「Vbeam」というレーザーを使って治療を行っていきます。

以下で赤あざの種類別に当院での治療方法を紹介します。

単純血管腫の治療方法

単純血管腫はできる部位によって治療法も変わります。

サーモンパッチ・ウンナ母斑の治療法

0歳から治療を行った方が痛みなどの記憶が残らないので、レーザー治療をおすすめしています。

ウンナ母斑は、あざが髪の毛で隠れれば治療しないこともあります。一方、髪が短いと目立つこともあり、治療する場合もあります。

ポートワイン母斑の治療法

成長とともに赤あざが大きくなるので、できるだけ小さいうちから治療を行うことがおすすめです。

当院では、0歳からレーザー治療をおすすめしています。

いちご状血管腫の治療方法

いちご状血管腫は、あざの形状が平ら(局面型)、盛り上がり(腫瘤型)、皮膚の下に隠れる(皮下型)によって治療方法が変わります。

  • 局面型
    レーザーのみを当てて治療します。
  • 腫瘤型
    見た目や機能に影響がある場合には、レーザー治療に加えてヘマンジオルシロップを内服します。見た目や機能に影響がない場合は、基本的にレーザーのみですが、希望によっては内服薬も使うことができます。
  • 皮下型
    ヘマンジオルシロップの内服で治療を行います。

ヘマンジオルシロップとは?

ヘマンジオルシロップとは、血管腫が大きくなるのを防ぎ、早く小さくすることを目的として使用する薬です。

味はバニラいちご味で、小さな子どもでも飲みやすくなっています。

この薬は1日2回、9時間以上間隔を空けて服用します。

また、27症例の結果、ヘマンジオルシロップはV beamのレーザー治療と組み合わせると、治療期間と後遺症の発生率および重症度を軽減できるという結果も出ています。

Sugimoto Atsuko,Aoki, Rits,Toyohara, Eri,Ogawa, Rei “”Infantile Hemangiomas Cleared by Combined Therapy With Pulsed Dye Laser and Propranolol””(Dermatologic Surgery 47(8):p 1052-1057, August 2021.)

In the 27 cases, average age at treatment start was 4.3 ± 3.8 months, mean tumor diameter was 11.1 ± 14.0 cm2, and tumor-type was most common (72.4% of lesions). The patients received 9.8 ± 10.5 PDL sessions. After ensuring patients had no physical contraindications, including heart disease, oral propranolol was started at 1 mg/kg/d, increased up to 3 mg/kg/d as a maintenance dose. Mean propranolol treatment duration was 11.1 ± 4.9 months. Total treatment duration was 15.3 ± 10.8 months.
CONCLUSION
Our data in the context of recent literature suggest combining propranolol with PDL may reduce propranolol duration without increasing harms.

すぐに効果が現れることが多いですが、まれにけいれんなどの低血糖症状を引き起こす場合があります。

低血糖を防ぐために食事中か食直後の服用をしますが、そのような症状が出た場合は、すぐに119番に連絡し医療機関に相談してください。

毛細血管拡張症の治療について

3か月に1回レーザーの治療を行います。

紫外線や肌への強い刺激は毛細血管拡張症を悪化させる原因になりますので注意が必要です。

赤ちゃん、子どもの赤あざは治療した方がよいのか

赤ちゃんや子どもの赤あざは、すべてのケースで治療が必要というわけではありません。

しかし、以下の場合には治療を行うことをお勧めします。

  • 赤あざが目立つ場所にある
  • 成長とともにあざが大きくなったり、隆起している
  • 医師が治療を勧める場合

赤あざが首や顔などの目立つ場所にあると心理的なストレスや、成長とともに大きくなると出血のリスクが増えます

治療するかどうかは担当医師とよく相談しましょう。

子どもの赤あざが気になるときは一度専門医に相談することをおすすめします。

赤あざを消すなら皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷へ

赤ちゃんや子どもの赤あざについて、「このあざは消えるのか?」「このあざの種類は?」など、些細なことでもぜひご相談下さい。

赤あざは早めに治療することで、患部の回復スピードが速くなり、施術回数も少なく済みます

赤ちゃんや子どもの赤あざが気になる方は、ぜひ皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷にご相談ください。

記事監修者プロフィール

院長 杉本 貴子

院長杉本 貴子

Sugimoto Atsuko

経歴
  • お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
  • 獨協医科大学 卒業
  • 国立国際医療研究センター 初期研修
  • 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
  • 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長

【関連病院】

  • 東京美容医療クリニック
  • 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
資格
  • 医学博士
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
  • 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
  • アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
  • クールスカルプティング 認定医
こどものアザは保険適用で治療できます。

ご予約の方法

初めてご来院の方はこちらをご覧ください。

※あざ治療、美容皮膚科以外の診察は予約せず直接ご来院ください。

※1週間以内に風邪症状のあった方は受診をお控えください。
当院は新生児の方も受診しますため、ご理解ご協力をいただけますと幸いです。

Tel.03-6304-1725

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