子どものあざ消しの治療とは?あざを消す治療について解説
赤ちゃんや子どもにあざがある場合、どのようにすればあざを消すことができるのか気になっている親御さんは多いでしょう。
この記事では、赤ちゃんや子どものあざの種類とあざを消す治療について詳しく解説します。
赤ちゃんや子どものあざには種類がある
赤ちゃんや子どもにできるあざには、赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざといったものがあります。
これらのあざは、できる部位や大きさなどで、病名、症状、治療法が異なるため、正確に診断し、効果的な治療を行わなければいけません。
他の病気が隠れているということもあるため、気になる症状は、早めに医師に相談しましょう。
赤ちゃんや子どものあざは治療しなければいけない?
赤ちゃんや子どものあざは、消さなければいけないというわけではありません。
しかし、状況によってはあざの治療を行い、きれいに消した方が良いケースがあります。
例えば、あざにより機能障害など成長に影響を及ぼしている場合は、治療が必要です。
また、成長とともにあざが隆起したり拡大して目立ってきている場合も治療したほうが良いでしょう。
あざの範囲が大きかったり、顔などの露出されていて目立ちやすい場所にあると、精神的なストレスとなってしまう可能性も高いです。
大人になってからあざの治療をすると、回復までに時間がかかってしまったり、あざを消すまでの治療回数も多くなってしまうことから、記憶に残りにくい0〜2歳のうちに治療ができると良いです。
赤ちゃんや子どものあざ消し治療は保険適用される?
赤ちゃんや子どものあざで、赤・青・茶あざが保険適用されます。
また、小学校未就学前の乳幼児であれば、子ども医療費助成制度の申請や手続きにより自己負担額を減らすことも可能です。
なお、東京23区は高校生まで自己負担額なく、無料で治療が受けられます。
各市町村により申請手続きは異なり、就学後でも適用される場合もありますので、お住まいの市町村の制度について確認してください。
あざを消す方法について
あざの中には、レーザー治療が有効なあざがあります。
赤あざのうちいちご状血管腫、単純性血管腫、毛細血管拡張症、青あざのうち異所性蒙古斑、太田母斑、茶あざのうち扁平母斑、その他外傷性色素沈着症が保険適用になります。
赤あざには「Vbeam」、青あざや茶あざには「QプラスR」を使用します。
なお、レーザー治療には、一時的な赤みや腫れ、かさぶた、水ぶくれ、色素沈着などの副作用があることがあります。
また、必要に応じて飲み薬や外用剤を併用する場合があります。
赤あざを消す治療
赤あざには、いちご状血管腫、サーモンパッチ、ウンナ母斑、単純性血管腫があります。
赤あざを消すレーザーは「Vbeam」を使用します。
赤あざの状態についてはこちらをご覧ください。
いちご状血管腫の治療
いちご状血管腫は、いちごのような凸凹と赤い色が特徴のあざです。
身体の様々な部位にでき、大きさは数ミリから10cmを超えるものまであります。
生後5か月までに完成形の80%の大きさまで大きくなり、10歳頃までに色が薄くなることが多いです。
一方で、年齢を重ねても赤みや白く伸びた皮膚が残ることがあります。そこで、早めの治療がおすすめです。
血管内皮細胞という、血管の壁を作る細胞が繁殖することでできると言われるあざですが、根本的な原因が分からず、できた場合「Vbeam」レーザー照射による治療が有効となります。
また、内服薬として「ヘマンジオルシロップ」を用いることもあります。
サーモンパッチの治療
サーモンパッチは、生後すぐの新生児20〜30%にみられるあざで、顔の真ん中にできやすいと言われています。
あざは平坦で、境界線がはっきりとしません。
1歳から1歳半までに薄くなって消えてしまうことが多いですが、濃いあざになっている場合は、消えずに残ることがあるため「Vbeam」レーザー照射による治療が有効となります。
サーモンパッチは、真皮(皮膚の深層部)の毛細血管の増加や拡張により現れるあざと言われていますが、遺伝性もあるため、根本的な原因は不明です。
ウンナ母斑の治療
生まれつき頭部からうなじのあたりに淡い赤色のあざがある場合、ウンナ母斑の可能性があります。
かぶれているようにも見えるので、かぶれと勘違いすることもあるあざです。
3歳くらいまでに薄くなり消えることもありますが、色が濃い場合は残る可能性があり「Vbeam」レーザー照射による治療が有効となります。
ウンナ母斑は、真皮の毛細血管の増加や拡張で現れるあざですが、根本的な原因は不明です。
単純性血管腫の治療
平坦な赤あざが身体のどこかに生まれつきある場合、単純性血管腫の可能性があります。
身体が成長するとともに大きくなり、年齢を重ねるとあざに凹凸ができてしまうこともあるため、早めに治療した方が良いあざです。
毛細血管が異常に増殖、拡張したことでできるあざですが、根本的な原因は不明です。
自然に消えないあざなので、見つけたら「Vbeam」レーザー照射で早急に治療をはじめるのが望ましいでしょう。
また、単純性血管腫を合併する病気もあることから、赤あざが気になったら早めに受診してください。
青あざを消す治療
青あざには、異所性蒙古斑、太田母斑、青色母斑があります。
青あざを消すレーザーは「QプラスR」を使用します。
なお、当院では異所性蒙古斑の治療を多く行っております。
異所性蒙古斑の治療
蒙古斑は、日本人のほぼ全員にみられるあざで、生後1週間から1か月ごろまでの赤ちゃんのおしりや腰にあらわれます。
これらは5歳から6歳までに自然に消えますが、おしりや腰以外の部位に青あざができることもあり、この場合は異所性蒙古斑と呼ばれます。
異所性蒙古斑は、メラノサイト(色素細胞)が真皮に集中することにより起こります。
異所性蒙古斑も、5歳から6歳までに消える可能性がありますが、消えにくい場合もあるためレーザーによる治療が推奨されます。
太田母斑の治療
太田母斑は、顔の片側だけにできるあざで、日本人の1000人に1人、主に女性にできるあざです。
生後すぐにできる場合と、思春期以降にできる場合がありますが、どちらもメラニンの過剰生成により出現すると言われています。
このあざは自然に消えないため、レーザーを照射します。
青色母斑の治療
青色母斑は、青色が強めのあざで、その多くは1cm以下のサイズ、硬く盛り上がっているのが特徴です。
顔や背中、足、腕など様々な部位にできるあざで、1cmを超える大きなあざの場合、悪性化の恐れがあるため早めに治療することが推奨されます。
メラニンが増殖することでできるあざで、自然に消えないためレーザーを用いて消していきます。
茶あざを消す治療
茶あざには、表皮母斑、扁平母斑があります。
レーザーは「QプラスR」を使用します。
表皮母斑の治療
表皮母斑は、生後すぐにできるあざで、表面がざらざらしていて白や淡い紅色などのあざが広い範囲に出現します。
自然に消えないあざで、成長とともに大きくなりますので、大きさにより手術が必要となるケースもあります。
レーザーの場合は、あざを削りますが、保険適用外となります。
扁平母斑の治療
扁平母斑は、色が薄いあざで生まれつきだけでなく成長していく段階でできることもあります。
メラニンが過剰に増えることで身体の様々な部位にできる平らなあざです。
成長していくなかで薄くなることもありますが、通常は自然に消えることはありません。
とても再発率の高いあざですが、1歳までにレーザー治療を行っておくと再発率も低くなるため早めに治療しておくと良いでしょう。
黒あざを消す治療
黒あざには、母斑細胞性母斑があります。
黒あざを消すレーザーは「QプラスR」「エルマン」などを使用します。
この治療は保険適用外となるため、自費診療になります。
母斑細胞性母斑の治療
褐色から黒色のあざで、メラニンを生成している細胞が集まることでできるものです。
大きなものは悪性化する可能性があるため、レーザーや切除などで取り除きます。
大きさ、できている箇所により治療方法が異なります。
子どものあざ消しなら皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷へ
赤ちゃんや子どものあざでお悩みなら、皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷へご相談ください。
赤ちゃんや子どものあざは、受診が早ければ早いほど効果的な場合があります。
少しでもご心配があればいつでもご相談ください。
本記事の情報は一般的な知識提供を目的としています。具体的な治療については、必ず医師にご相談ください。
記事監修者プロフィール

院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
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- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
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- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医