太田母斑とは?発症する原因や症状・治療方法・経過などを詳しく解説
太田母斑(おおたぼはん)とは乳児期や思春期以降に現れる青あざです。体の目立つ部位にできやすく自然に治らないため、美容面で悩む方も少なくありません。そんな太田母斑ですが、「どのような症状があるのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、太田母斑とは何かを詳しく解説します。さらに、発症する原因や症状、治療方法なども併せて紹介します。この記事を読めば、太田母斑について理解できるので、気になる症状がある方や治療を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
子どものシミやあざを改善するなら皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷
赤ちゃんや子どもにできるあざには、赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざの4種類があります。同じ色のあざでも、症状が出る場所によって病名や症状、治療方法が異なります。皮ふとあざのお悩みなら、皮ふと子どものあざクリニックにご相談ください。
当院では、子どもに特化した治療をしており、これまでの経験を活かして最適な治療方法をご提案いたします。大切なお子様への治療なので、何よりも安全に配慮して治療を行います。また、より前向きに治療をしていただくために、お子様とご両親にわかりやすい説明を心がけています。
「将来子どもにあざのことで悩ませたくない」と考えているご両親は、ぜひ皮ふと子どものあざクリニックにご相談ください。
アクセス | 東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩2分 →アクセス方法 |
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太田母斑(おおたぼはん)とは
太田母斑とは生後数週間して現れたり、思春期以降に発症したりする青あざの1種です。顔の片側に現れるのがほとんどですが、まれに両方にみられることもあります。また、白目や歯茎、耳の中など皮膚以外の部位にも現れることがあります。
色は青紫色や灰紫青色が基本で、褐色のしみも混在することがほとんどです。褐色が強いとしみや茶あざ、そばかすなどと間違われることもあります。
太田母斑は自然に消えない青あざのため、見た目を気にして治療を希望する方も多いようです。
太田母斑と後天性真皮メラノサイトーシスの違い
太田母斑と後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の違いは、発症する年齢と出現する箇所です。太田母斑は乳児期か思春期以降に発症し、片側の額や目のまわりなどに青みがかった斑で現れます。
ADMはさまざまな年齢で発生しますが、20〜30代以降に現れる場合がほとんどです。場所は頬骨あたり、こめかみ、小鼻、顎に左右対称に発症し、色は灰褐色〜淡青色の細かい斑点状で現れます。
どちらも真皮にメラニン色素が沈着する色素性疾患のため、同じあざと思われる方も多いようです。それぞれ見た目が似ているため、専門の医師による診断が必要です。
太田母斑の症状とグレード
太田母斑の症状はI型~Ⅳ型に分類されており、グレードが上がるほど色素沈着の範囲が広く、濃くなります。グレードの詳細は以下のとおりです。
グレード | 症状と発症箇所 |
I型 | 軽度で色素斑の範囲が狭い
・a型:眼部型 ・b型:頬骨型 ・c型:額部型 ・d型:鼻孔 |
II型 | I型より広範囲にあざがみられるタイプ
・上眼瞼 ・頬骨部 ・側頭部 ・鼻根部 |
III型 | II型よりさらに広範囲にあざがみられるタイプ
鼻孔や耳などにもみられる |
IV型 | 顔の両側にあざがみられるタイプ |
I型は軽度なタイプですが、発症する箇所がさまざまで、a型~d型に分類されます。重度になると顔の広範囲や眼球にまで及ぶケースもあります。発症年齢や色の濃さ、部位によって治療方針が異なるため、専門医の診断が重要です。
太田母斑が発症する原因
太田母斑は、皮膚の真皮層にあるメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が異常に分布・増殖することで発生していると考えられています。メラノサイトに異常が起きる原因は解明されていませんが、遺伝的な要因やホルモンの影響が関与しているようです。
太田母斑は黄色人種にみられ、特にアジア人女性に多い傾向にあります。また、出生して間もない時期や思春期以降に発症する原因は、ホルモンの変化が関係していると考えられています。
発症するとメイクで隠せないほど目立つため、思春期に人目を気にして精神的なストレスを抱える方も多いようです。自然に治るあざではないため、気になる場合は医療的なアプローチが必要です。
太田母斑の治療方法
太田母斑の治療には、Qスイッチルビーレーザーやピコレーザーなどのレーザー治療が用いられます。これらのレーザーは、真皮層に存在するメラニン色素に反応し、周囲の正常な組織を傷つけることなくピンポイントでの治療が可能です。
皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷では、Qスイッチルビーレーザーを利用しています。ルビーレーザーのフラクショナル照射は、細かい太田母斑にも点で照射可能なため、やけどや色素沈着のリスクを軽減できます。
また、1秒間に3回の照射が可能なため、迅速で効率的な治療が可能です。太田母斑のレーザー治療は保険適用されることがほとんどで、費用負担を抑えながら見た目の改善に期待できます。
太田母斑に対するQスイッチルビーレーザー治療の経過
Qスイッチルビーレーザーは1回の治療で完了することもありますが、状態によっては5回以上の照射を繰り返すこともあります。繰り返す場合、治療の間隔は3〜6ヶ月以上空けることが推奨されています。
発症した場合は治療のタイミングが早いほど効果が出やすいため、早めの治療が重要です。レーザー照射後は、一時的にかさぶたや赤みが生じますが、1〜2週間ほどで自然に落ち着きます。
照射を重ねることで徐々に色素が薄くなり、多くの場合で目立たない状態にまで改善が期待できます。治療効果には個人差があるため、医師との継続的な経過観察が重要です。
レーザー治療で起こり得る副作用
太田母斑におけるレーザー治療で起こり得る副作用は、以下のとおりです。
- 痛み
- 水泡・びらん
- 腫れ・むくみ
- 皮膚が弱くなる
- 肌の色が濃くなる
- 色素脱失
- 傷
1つずつ詳しく解説します。
痛み
Qスイッチルビーレーザー照射時には、ゴムで弾かれるような痛みが生じることがあります。そのため、小さい子どもや痛みに敏感な方は、麻酔クリームの使用も可能です。
照射後もヒリヒリとした痛みや赤みが数日続くこともありますが、数日から1週間ほどで落ち着きます。強い痛みが持続する場合は、医師に相談することが大切です。
水泡・びらん
レーザーの熱刺激によって、施術部位に一時的な水泡やびらん(ただれ)が生じることがあります。これは、レーザーがメラニン色素に反応して組織を破壊する際に起こる自然な反応で、照射出力や皮膚の状態によって発生頻度が異なります。
水泡ができた場合はつぶさないように気をつけて、適切なアフターケアをすれば、1〜2週間で自然に治癒することがほとんどです。
処置が不十分な場合は色素沈着や瘢痕(はんこん)につながることもあるため、医師の指示に従って丁寧なケアを意識すると良いでしょう。
腫れ・むくみ
レーザー照射後は、施術部位に腫れやむくみが現れることがあります。これは、レーザーの熱エネルギーが患部に作用し、軽度の炎症反応が生じる自然な反応です。
腫れやむくみは照射直後から翌日にかけてピークを迎えるケースが多く、数日〜1週間程度で自然に治まる傾向にあります。施術後は患部を清潔に保ち、刺激を避けて安静に過ごすことが回復を早めるポイントです。
皮膚が弱くなる
レーザー治療を繰り返し受けることで、一時的に皮膚が薄くなったり敏感になったりすることがあります。これは、レーザーで皮膚のメラニン色素が破壊される過程で、表皮や真皮の構造に一時的なダメージが加わるためにおきる症状です。
皮膚が弱くなると紫外線や摩擦などの外的刺激に敏感になり、赤みや乾燥、かゆみなどのトラブルが生じやすくなります。そのため、施術後はUVケアや保湿ケアを徹底することが大切です。
施術直後から数週間は肌を紫外線にさらさないようにし、必要に応じて医師から処方された保護クリームを使用しましょう。
肌の色が濃くなる
レーザー治療の副作用として、一時的に肌の色が濃く見える、色素沈着が起こることがあります。これは、レーザーの照射による軽度の炎症反応で、メラニン色素が一時的に増加することで起きる症状です。
炎症後の色素沈着は時間の経過とともに薄れて、数ヶ月以内に自然に改善する傾向にあります。ただし、体質やスキンケアによっては長引くこともあるため、注意が必要です。
対策としては、術後の紫外線対策を徹底することが重要で、医師により美白効果のある外用薬が処方されることもあります。
レーザー治療で色が濃くなる原因は、以下の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
色素脱失
レーザー治療後に、照射部位の肌の色が白く見える色素脱失が起こることもあります。これは、レーザーによりメラニンを生成する細胞(メラノサイト)の機能が低下して生じる副作用です。
特に、肌の色素が薄い方や、強めの出力で照射された場合に起こりやすくなります。色素脱失はメラノサイトの機能が回復すると自然に元の色に戻りますが、完全に回復しないケースもあります。
そのため、治療前には医師とのカウンセリングで副作用のリスクについて十分に説明を受けることが大切です。治療後は、肌の変化をよく観察し、必要に応じて医師に相談するようにしましょう。
傷
レーザー治療は安全性の高い施術ですが、まれに照射部位に傷が残ることがあります。これは、強い炎症や水泡・びらんが生じた後に、適切に処置しなかった場合に起こる症状です。
また、治療直後に患部をこすったり引っかいたりする外的刺激が加わることで、傷になるケースもあります。傷跡を残さないためには、治療後のアフターケアが重要です。かさぶたや水疱などができた場合は無理に剥がさず、自然に治るのを待ちましょう。
太田母斑の治療費
太田母斑の治療は保険適用となるケースがほとんどで、自己負担額は3割程度に抑えられます。保険適用の費用は、3割負担で1回あたりの費用は6,000円〜10,000円程度です。
費用は治療する範囲によって異なるため、カウンセリングの際に医師に確認しておくと良いでしょう。
太田母斑の治療費は以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
太田母斑と間違えられやすい症状
太田母斑と間違われやすいのは、以下のような症状です。
- 肝斑(かんぱん)
- しみ
- そばかす
- クマ
それぞれ詳しくみていきましょう。
肝斑(かんぱん)
肝斑は額や頬骨あたりに左右対称に現れる茶色〜褐色の色素斑で、主に30代以降に多くみられます。原因は紫外線やホルモンバランスの乱れとされており、ピルの服用や妊娠によって発症することもあります。
太田母斑と見分ける際のポイントは色味で、肝斑は茶色で青っぽくない点が特徴です。また、色味が濃くなる時期や薄くなる時期もあります。
しみ
しみ(老人性色素斑)は、紫外線の影響で加齢とともに出現する色素斑です。主に30代以降に、頬や額など、日光に当たりやすい部位に現れます。色は淡褐色〜濃褐色で、輪郭がはっきりしている点が特徴です。
太田母斑は青色を帯びており、しみとは色調と出現部位が異なります。加齢とともに目立ち始めるしみは、医療機関での治療も可能です
そばかす
そばかす(雀卵斑)は、幼少期に鼻や頬に小さな点状の色素斑として現れる症状です。色は明るい茶色〜黄褐色で、紫外線を浴びて濃くなる傾向にあり、遺伝的なものが原因とされています。
そばかすは太田母斑と異なり、点状で顔の中心部に対称的に現れるため、区別しやすい傾向にあります。そばかすは主に表皮のメラニンによりあらわれる症状のため、太田母斑と治療方法が異なる点もポイントです。
クマ
目の下にできるクマの中で青クマは、太田母斑と誤認されやすい傾向にあります。青クマは朝や疲れたときに色が濃くなり、休息やマッサージで一時的に改善される症状です。
太田母斑は常に色素が存在し、自然には消えることはありません。また、青クマが目の下に現れるのに対し、太田母斑は片側の目の周囲や額・こめかみ・鼻などにも広がることもあります。
太田母斑の治療なら茗荷谷皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷
茗荷谷皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷では、小児から大人まで幅広い年齢層のあざやしみに対応しています。太田母斑のような青あざに対しても、専門的な治療が可能です。
太田母斑治療にはQスイッチルビーレーザーを使用し、肌への負担を抑えながら、確かな効果が期待できます。診察時には、レーザー分野の指導医の資格も持つ医師が状態を丁寧に確認します。
治療の際は年齢や肌質に合わせた適切な計画を提案するため、初めての方でも安心です。子どものあざは保険適用で治療可能なため、悩みがある方はぜひ一度相談してみてください。
太田母斑に関するよくある質問
ここまで太田母斑について詳しく解説しましたが、疑問が残っている方もいるでしょう。ここからは、太田母斑に関するよくある質問に回答しながら解説します。
太田母斑は美人に多いって本当?
太田母斑は、日本人を含む黄色人種に多くみられる色素性母斑で、容姿に関係なく発症します。医学的には美人に発症しやすいという明確な根拠はありませんが、日本人女性に多く発症することから、そうした印象を抱く方もいるようです。
太田母斑の多くは顔に青あざのような色素沈着がみられる症状のため、見た目への影響を気にする方が多い傾向にあります。太田母斑はレーザー治療により改善できるため、疑わしい症状が出たら早めに医師に相談しましょう。
太田母斑と青あざの違いは?
太田母斑と青あざは、発生部位や性質に違いがあります。太田母斑は、主に顔に現れる青灰色〜暗褐色のあざで、眼球や結膜にまで色素沈着が及ぶことがあります。
青あざは、通常お尻や背中にみられる蒙古斑が体の他の部位に出現する症状で、顔に現れることはまれです。また、太田母斑が自然に薄くならないのに対し、青あざは年齢とともに自然に消えることもあります。
あざに関しては医師の診断によって正しく判別し、それぞれに合った治療を受けることが重要です。
太田母斑は赤ちゃんのうちに治療すべき?
太田母斑は皮膚の薄い赤ちゃんのうちから治療を開始したほうが治りも早く、色素沈着が残りにくいとされています。太田母斑は成長してから治療を始めると、色素が皮膚深部にまで沈着していることが多く、治療回数が増える可能性もあります。
また、物心がつく前に治療することで、精神的な負担を軽減できる点も乳児期の治療を推奨する理由の1つです。思春期に発生した場合も、ストレスを軽減するために早めの治療が推奨されます。症状が気になる場合は、早めに医師に相談すると良いでしょう。
子どものシミやあざを改善するなら皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷
赤ちゃんや子どもにできるあざには、赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざの4種類があります。同じ色のあざでも、症状が出る場所によって病名や症状、治療方法が異なります。皮ふとあざのお悩みなら、皮ふと子どものあざクリニックにご相談ください。
当院では、子どもに特化した治療をしており、これまでの経験を活かして最適な治療方法をご提案いたします。大切なお子様への治療なので、何よりも安全に配慮して治療を行います。また、より前向きに治療をしていただくために、お子様とご両親にわかりやすい説明を心がけています。
「将来子どもにあざのことで悩ませたくない」と考えているご両親は、ぜひ皮ふと子どものあざクリニックにご相談ください。
アクセス | 東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩2分 →アクセス方法 |
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火・木 10:00〜17:00 |
休診日 | 土日祝 |
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まとめ
この記事では太田母斑とは何か、原因や症状について解説しました。太田母斑は青みを帯びており、茶褐色も含む青あざです。他のあざと間違われることもありますが、発生した時期や場所、色の違いなどで見分けられます。
原因はメラノサイトの増加と考えられますが、根本的なことは明らかになっていません。また、乳児期や思春期のアジア人女性に多くみられることから、遺伝やホルモンが関係しているといわれています。
太田母斑は自然に治らないため、心理的な負担を考えると、早期の診断と治療が重要です。この記事を参考に、太田母斑の正しい知識を持ち、前向きに治療を検討しましょう。
記事監修者プロフィール

院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
-
- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
-
- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医