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赤ちゃんや子供の青あざが消えない原因は?突然できた青あざやぶつけたときの青あざがどれくらいで治るのかを解説

ぶつけたり怪我をしたりした際に、青あざがみられることがあります。そんな青あざですが「消えない青あざがあって心配」「どれくらいで治るのが一般的?」と思う方は多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、赤ちゃんや子供の青あざが消えない原因について解説します。また、や突然できた青あざやぶつけたときの青あざがどれくらいで治るのかも併せて紹介します。

この記事を読めば、赤ちゃんや子供のあざについて理解できるので、消えない青あざや怪我や転倒の青あざを早く治したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

青あざとは

青あざは、皮膚の下に血液がたまることで青や紫色に見える状態を指します。外傷性青あざや生まれつきの青あざ、病気の可能性がある青あざに分けられます。

外傷性青あざは、打撲やけがが原因で、数日から数週間で消えるのが一般的です。生まれつきの青あざは、皮膚の色素異常が原因で現れます。自然に消える場合もありますが、残るケースもあります。

赤ちゃんや子供の皮膚に青あざが突然現れたり、斑点状の青あざがみられたりする場合は、何らかの問題が潜んでいる可能性があるため注意が必要です。

【ケース別】子供の青あざが消えない原因

子供の青あざには、原因や場所によっていくつかのパターンが存在します。ここからは、以下のケース別に考えられる原因を紹介します。

  • 突然できた消えない青あざ
  • 生まれつき顔の片側にみられる消えない青あざ
  • 生まれつきお尻以外にみられる消えない青あざ
  • 生まれつきお尻にみられる消えない青あざ
  • ほくろに似た消えない青あざ
  • シミに似ている青あざ
  • 斑点の青あざ

それぞれ詳しく解説します。

突然できた消えない青あざ

突然できた青あざには、怪我や打撲によるものと、太田母斑の可能性が考えられます。怪我や打撲が原因の場合、皮下出血によって青あざが形成され、1〜2週間かけて自然に治ります。体質によっては、1ヶ月ほど消えない場合もあるため、少し様子を見るのが良いでしょう。

一方、太田母斑は顔の片側に現れる青あざの一種で、皮膚の深い部分に色素が沈着することによって発生します。まれに、両側に現れることがありますが、上唇〜おでこにかけて天井の青あざがみられます。

遅延型の太田母斑は、生まれつきみられるものではなく、突然できるのが特徴です。思春期の女の子にみられることが多く、自然に消えないため、治療が必要となります。なお、日本で発症する確率は、1,000人に1人〜2人の割合といわれています。

生まれつき顔の片側にみられる消えない青あざ

生まれつき、顔の片側に青あざが見られる場合は、太田母斑の可能性があります。先述した遅延性ではなく、早発型に分類されます。

早発型の太田母斑は、皮膚の深い部分に色素細胞が集まることで、青緑色や茶色っぽい色調のあざが頬や目の周りにみられるのが一般的です。自然に消えることはほとんどなく、見た目に影響を与える可能性が高いことから、美容皮膚科や形成外科での治療を検討することが推奨されます。

まれに、白目の部分に太田母斑がみられることもありますが、眼球へダメージを与える可能性があることから、現在では治療ができないとされています。

生まれつきお尻以外にみられる消えない青あざ

お尻以外に現れる青あざとして考えられるのは、異所性蒙古斑です。異所性蒙古斑は、本来お尻や背中に見られる蒙古斑が、腕や顔など他の部位に出現した状態です。成長とともに薄くなることが多いものの、自然に消えることはほとんどありません。約4%の子どもが、学童期になっても残っています。

異所性蒙古斑は、複数箇所にみられるものから範囲が大きいものなど、一人ひとり呈する症状が異なります。日焼けをすると濃く見えてしまうこともあるため、紫外線対策をするのも忘れないようにしましょう。

生まれつきお尻にみられる消えない青あざ

お尻に見られる青あざの原因は、蒙古斑です。蒙古斑はアジア系の人種に多く見られ、100%近い子どもが発症するのが特徴です。通常は5〜6歳頃までに自然に薄くなりますが、10歳ごろまで残る子どももいます。

また、お尻の青あざが異常に濃い場合や広範囲に広がる場合は、異所性蒙古斑や青色母斑の可能性が考えられます。蒙古斑と似た症状が見られる場合には、皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。特に、色が濃くなる場合や症状が広がる場合は注意が必要です。

ほくろに似た消えない青あざ

青色母斑は、メラニン色素が皮膚の深い部分に沈着することによって生じる青黒いあざです。直径が1~2cm程度で、ほくろに似ており、顔や手足に現れます。生まれつき発生することが多く、自然に消えることはほとんどありません。

青色母斑は痛みや痒みを伴わないため、日常生活に支障をきたすことはありません。しかし、形状や色が変化した場合は、悪性の可能性が考えられるため注意が必要です。「色が急に濃くなる」「大きくなる」まど、色や大きさに変化があった場合は、医師の診察を受けることが推奨されます。

シミに似ている青あざ

子供のシミに似た青あざは、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)であることが考えられます。ADMはメラニン色素が真皮層に沈着することで生じる青灰色の色素斑で、顔や頬・こめかみ・額の周囲に現れます。

出生時には現れず、思春期以降に徐々に発症することが多いのが特徴です。一見するとシミに似ているため、色素沈着と間違えられることがありますが、真皮層に原因があるため、美白対策などでは改善しません。

シミとの見分けがつきにくい、ケアしても改善されない場合は、皮膚科や形成外科での診察を受けることをおすすめします。

斑点の青あざ

斑点状の青あざは、打撲などによる外傷が原因であることが多いですが、血管性紫斑病や血小板減少性紫斑病血管腫の血液疾患による可能性も考えられます。血液型の疾患は、血液が皮膚の下に滞ることで斑点が現れるのが特徴です。

通常の打撲による青あざは1〜2週間程度で消えますが、2週間以上経っても消えない場合やあざが次々と新たに現れる場合には、早めに医療機関を受診する必要があります。血液検査や皮膚の診察を通じて、基礎疾患の有無を確認してもらいましょう。

治療を受けることで、重篤な疾患を早期に発見し予防することが可能です。早期の適切な診断と治療により、合併症を防げる可能性が高まります。

青あざの治療法と治療費の目安

青あざの治療法は原因やタイプによって異なりますが、レーザー治療が用いられるのが一般的です。青色母斑や蒙古斑には、Qスイッチルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーが効果があります。

レーザー治療により、皮膚の深部にある色素を破壊することで、あざを目立たなくしていきます。

治療費は、レーザー照射1回で5,000円〜50,000円程度と、幅が広いのが特徴です。医療保険が適応される場合は、3割負担で済みます。

治療回数は青あざの大きさや深さによりますが、数回の施術が必要なケースが多く見受けられます。医療機関や症例によって費用が異なるため、事前に相談して費用感を確認することが重要です。

治療をしても青あざが消えない場合に考えられる理由

青あざが治療後も消えない場合は、治療回数の不足や使用するレーザーの出力が十分でないことが考えられます。

ここからは、治療をしても青あざが消えない場合に考えられる理由を詳しく解説します。

治療回数が足らない

青あざが完全に消えない理由の1つに、治療回数が足りていないことが挙げられます。青色母斑や蒙古斑などの深い色素沈着は、1回のレーザー照射では完全に色素を除去できないことが多く、5回以上の施術が必要になることもあります。

短期間で複数回治療を行うと、色素が増えることがあるため、治療と治療の間には適切な間隔を空けることが重要です。治療回数が十分でない場合は、医師と相談の上、継続的な治療計画を立てましょう。

照射するレーザーが弱い

レーザーの出力が十分でない場合も、青あざが完全に消えない原因となります。子供の皮膚は大人の半分ほどのため、レーザーで火傷をしないように、出力を弱く設定する必要があります。

しかし、皮膚の深部に色素が沈着している場合、弱いレーザーでは色素に十分な効果を与えられません。そのため、レーザーの出力が弱い場合も、あざが消えない原因となります。

治療をしても青あざが消えない場合は、機器や出力設定の見直しが必要になるでしょう。ただし、赤ちゃんや子どもの皮膚は薄いため、容姿が気になる年頃である思春期よりも少し前に、治療するのも1つの手です。

怪我や転倒などによる青あざを治す方法

打撲や転倒による青あざは、血液が皮膚の下に滞留することで生じます。自然に治ることがほとんどですが、安静・冷却・圧迫・挙上の4つの方法を適切に行うことで、回復を早められます。

安静

怪我や転倒直後は、患部を安静に保つことが大切です。動きすぎると、血流が活発になり、青あざが広がる可能性があります。大きなあざができた場合は、筋肉や関節の動きを最小限に抑えて、患部への負担を軽減しましょう。

冷却

青あざができてすぐに患部を冷却することで、毛細血管の収縮を促し、内出血を最小限に抑えることが可能です。氷や保冷剤をタオルで包んで患部に当て、15〜20分程度冷やしてみてください。

氷を直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため、必ずタオルに包んで冷やしましょう。

圧迫

患部を軽く圧迫することで、内出血を抑えられる可能性が高まります。弾性包帯やガーゼを用いて適度な力で圧迫し、血流の広がりを防ぎましょう。

ただし、圧迫の力が強すぎると血行が悪くなるため、適切な強さで圧迫することがポイントです。

挙上

青あざが腕や足にできている場合は、心臓より高い位置に保つことで、血流を抑えて腫れや内出血の広がりを軽減できます。足に青あざができた場合は、横になりながら足の下にクッションを置いて、高く持ち上げる方法を取ると効果的です。

腕に青あざができた場合もクッションを活用して、心臓よりも高い位置を保ちましょう。

赤ちゃん・子供の青あざに関するよくある質問

最後に、赤ちゃん・子供の青あざに関するよくある質問に回答します。子供の青あざに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1ヶ月経っても青あざが治らない場合はどうしたら良いですか?

青あざが1ヶ月以上経っても治らない場合、通常の打撲による青あざではない可能性が考えられます。しかし、体質や元々のご病気によっては治るまでに1ヶ月以上かかる方もいるため、打撲による青あざの場合は、ホットパックを使って患部を温めたり、ぬるま湯にゆっくり浸かったりして様子をみてみましょう。

ただし、長期間消えない・顔にできた青あざやシミに似ている青あざは、太田母斑や青色母斑の可能性があるため、心配な方は医療機関を受診しましょう。

赤ちゃんのぶつけたあざが消えない場合はどうしたら良いですか?

赤ちゃんのぶつけたあざが1週間以上消えない場合、血液の凝固異常や血管の異常が関与している可能性があります。まず、患部を冷却し腫れや痛みを抑えた後、経過を観察することが大切です。しかし、長期間あざが残る場合やあざが広がる場合は、速やかに小児科や皮膚科を受診するのが良いでしょう。

なかでも、あざが複数箇所に現れる場合や、体調不良を伴う場合は、血液検査や画像検査で詳しく原因を調べる必要があります。

青あざは1年経っても消えないことがありますか?

先天性の青あざは、1年経っても消えないことがあります。通常の打撲や内出血による青あざではなく、蒙古斑や局所性蒙古斑などの可能性が考えられます。先天性のあざは自然に消えない場合があり、レーザーによる治療が必要となるかもしれません。

1年以上青あざが残る場合は、皮膚科や形成外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。専門医の診察を受けることで、原因に応じた効果的な処置ができます。

子供の怪我やぶつけた際の青あざはどれくらいで治りますか?

子供の怪我や打撲による青あざは、通常1〜2週間程度で自然に治癒します。青あざは血液が皮膚の下に滞留することで発生しますが、時間の経過とともに体内で吸収され、徐々に色が薄くなっていきます。

ただし、青あざが2週間以上消えない場合や、痛みや腫れが続く場合は、血液循環や凝固機能の問題が関与している可能性があるため注意が必要です。早期に適切な対応を行うことで、症状の悪化を防げます。

まとめ

この記事では、赤ちゃんや子どもの消えない青あざや、怪我や転倒などの打撲による青あざについて解説しました。

赤ちゃんや子どもの消えない青あざとして、太田母斑や局所性蒙古斑・青色母斑・後天性真皮メラノサイトーシス・血管性紫斑病・血小板減少性紫斑病などが考えられます。消えない青あざは、レーザー治療によって消すことが可能です。

しかし、赤ちゃんや子どもの皮膚は薄いため、容姿が気になる年頃である思春期よりも少し前に、治療するのも1つの手です。レーザー治療が有効なため、気になる場合は治療を検討してみてください。

また、怪我による青あざは、安静・冷却・圧迫・挙上の4つの方法で、早期改善を図れます。1ヶ月以上経過しても消えない場合や、痛みや腫れがひどい場合は、血液疾患や色素異常が関与している可能性があるため、速やかに医療機関を受診することが大切です。

この記事を参考に、青あざの原因を理解し、早期対応できるようにしましょう。

 

記事監修者プロフィール

院長 杉本 貴子

院長杉本 貴子

Sugimoto Atsuko

経歴
  • お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
  • 獨協医科大学 卒業
  • 国立国際医療研究センター 初期研修
  • 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
  • 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長

【関連病院】

  • 東京美容医療クリニック
  • 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
資格
  • 医学博士
  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
  • 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
  • アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
  • クールスカルプティング 認定医
こどものアザは保険適用で治療できます。

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