毛細血管拡張症の治し方|医療機関での治療方法や保険適応の有無・自力で改善する方法などを解説
毛細血管拡張症に悩む方の中には、「自力で改善できる?」「塗り薬や飲み薬で治せる?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。また、顔や足など特定の部位に現れる症状の治し方も気になるところです。
そこでこの記事では、毛細血管拡張症の治し方について、自力でできる改善方法や部位別のアプローチを詳しく解説します。さらに、医療機関での治療プロセスや費用、保険適用の有無についても併せて紹介します。
この記事を読めば、毛細血管拡張症の症状に対する適切な対処法がわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
毛細血管拡張症の治し方|自力で改善する方法
毛細血管拡張症を自分で改善する方法は、以下のとおりです。
- 適切なスキンケアをする
- 生活習慣を見直す
- 紫外線対策
1つずつ詳しくみていきましょう。
適切なスキンケアをする
毛細血管拡張症の改善には、肌に優しいスキンケアを心がけることが重要です。洗顔はゴシゴシとこすらず、泡で包み込むように優しく洗うことを意識してください。
また、アルコール成分や刺激の強い化粧品、ピーリング剤の使用は避けて肌への負担を最小限に抑える必要があります。保湿ケアはセラミドやヒアルロン酸など、保湿成分が豊富に含まれるクリームや化粧水を使うことで、肌のバリア機能を高める効果が期待できます。
スキンケアに加えて、日焼け止めを意識することも重要です。紫外線によるダメージは、毛細血管拡張症を悪化させる原因となるため、UV対策も徹底しましょう。
生活習慣を見直す
毛細血管拡張症は生活習慣とも密接に関係しているため、乱れている場合は見直しが必要です。アルコールや辛い食べ物の摂取は血管を拡張させる原因となります。継続的な飲酒は毛細血管が目立ちやすくなる場合もあるため、適度な量を心がけてください。
さらに、十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を摂ることも重要です。血管の健康を保つには、抗酸化作用のあるビタミンCやEを含む食品を摂取すると良いでしょう。生活習慣を見直すことで、毛細血管拡張症の予防や進行抑制に期待できます。
紫外線対策
毛細血管拡張症を改善するには、紫外線対策が欠かせません。紫外線は肌にダメージを与えるだけでなく、血管を拡張させる要因にもなるため、年間を通して紫外線対策意識することが大切です。
日焼け止めはSPF20程度のものを選び、2時間おきに塗り直しましょう。メイクの上から使えるスプレータイプの日焼け止めも、手軽に使用できて便利です。
紫外線対策を徹底することで、毛細血管拡張症の悪化を防ぎ、肌を健康に保てる効果に期待できます。
毛細血管拡張症の治し方|塗り薬・飲み薬
毛細血管拡張症の治療には、塗り薬や飲み薬が用いられることもあります。それぞれの特徴や効果について詳しくみていきましょう。
塗り薬
毛細血管拡張症の治療に用いられる塗り薬は、血管の収縮を促す成分を含むものが使用されます。主に用いられる塗り薬は、以下のとおりです。
- イベルメクチン
- メトロニダゾール
- アゼライン酸
イベルメクチンはメトロニダゾールより効果があるといわれており、酒さの症状に効果があるといわれています。メトロニダゾールは抗菌薬です。アゼライン酸は炎症を抑えて肌の赤みを改善する効果に期待できます。
塗り薬だけでは毛細血管拡張症を完全に治すのは、難しいといわれているため、主に症状を緩和するための補助的な役割として用いられます。塗り薬の使用方法や副作用については、医師や薬剤師の指示を守りましょう。
塗り薬については以下の記事でも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
「子どものアザ消しクリームとは?効果と安全性について」
飲み薬
毛細血管拡張症に対する飲み薬は、主に以下のような薬が用いられています。
- ドキシサイクリン
- イソトレチノイン
ドキシサイクリンは抗菌剤ですが、炎症を抑える効果がある飲み薬です。酒さやニキビ治療に用いられる場合があります。ただし、血管が拡張してしまった後は、ドキシサイクリンの効果に期待できないため、毛細血管拡張症には向いていないとされています。
イソトレチノインも炎症を抑える効果があり、酒さや毛穴の開きなどの改善に期待できる飲み薬です。毛細血管拡張症の治療においては個人差があるため、医師の診断を仰いで指示に従いましょう。
これらの飲み薬は保険が適用されません。
毛細血管拡張症の治し方|部位別の治療方法
毛細血管拡張症は、部位ごとに適した治療方法があります。顔の部位別の治療方法は、以下がおすすめです。
- 鼻の下・小鼻:ジェントルヤグ・Vビーム
- 顔全体:ジェントルヤグ・Vビーム・フォトフェイシャル
ジェントルヤグやVビームは、細かい治療に向いています。小鼻周りはピンポイントで狙いたい箇所のため、ジェントルヤグやVビームがぴったりです。
フォトフェイシャルは幅広い範囲に光を照射できるため、顔全体の治療に向いています。毛細血管拡張症が広くみられる方には、フォトフェイシャルを用いた治療がおすすめです。ただし、適切な治療方法は医師の診断によって異なります。治療を受ける際は自分の判断ではなく、経験と実績のある医師に委ねましょう。
毛細血管拡張症の治療方法については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。
「子どもの毛細血管拡張の原因について、専門医が解説」
医療機関での治療プロセス
毛細血管拡張症の治療を受ける際、医療機関では以下のようなプロセスで治療が進められます。
1. カウンセリングと診察
初診時に医師が患者の症状を確認し、毛細血管拡張症であるかどうかを診断します。カウンセリングでは治療方法や効果、リスクなどを詳しく説明されるため、不安や疑問があれば事前に質問しておくと安心です。
2. 治療の準備
治療の際は肌を清潔な状態にしておく必要があるため、メイクをしていない方でも洗顔をして準備します。なお、痛みに弱い方は、希望すれば麻酔の使用も可能です。
3. 治療の実施
肌の状態や治療計画に基づいて、レーザー治療が行われます。治療時間は部位によって異なりますが、5分〜10分程度が終了の目安です。
4. アフターケアと経過観察
治療後は肌を冷却し、炎症を抑える薬が処方される場合もあります。その後、数週間から数ヶ月おきに経過観察をしながら、必要に応じて治療を継続します。
治療プロセスは医師と連携して進めることで、効果的な治療に期待できるでしょう。
毛細血管拡張症の治療費と保険適用の有無
毛細血管拡張症は保険適用の治療となるのが一般的ですが、希望する治療方法によっては適用されない場合もあります。ここからは、適用されるケースとされないケースをみていきましょう。
保険が適用される条件と治療費の目安
毛細血管拡張症の治療では、基本的に医療保険が適用されます。適用される場合の主な条件は、以下のとおりです。
- 医師による診察で治療が必要と判断した場合
- 厚生労働省が認可したレーザー機器を使用した治療
- 一定の治療間隔を守った場合
治療費は毛細血管拡張症の面積に応じて異なります。保険が適用される場合の費用は、自己負担3割で以下のとおりです。
- 10cm2:8,140円
- 30cm2:11,140円
- 50cm2:14,140円
保険適用となるには、医師の指示に従って治療をすすめる必要があります。詳細はカウンセリングで事前に確認しておくと安心です。
保険適用外になるケースと治療費用相場
以下の場合は、毛細血管拡張症の治療が保険適用外となります。
- 美容目的で治療を希望する場合
- 医師が必要と認めていない範囲にレーザーを照射する場合
- 保険適用外の治療をする場合
- 治療の間隔を自分で決める場合
保険適用外の治療費用の相場は、顔全体で33,000円、両頬で22,000円程度です。鼻の場合は11,000円程度が相場となっています。これらは自由診療扱いのため、クリニックによって料金が異なります。
保険適用外の費用は高額になる場合があるため、カウンセリングで事前に確認しておきましょう。
毛細血管拡張症の症状
毛細血管拡張症は、皮膚の表面に赤い血管がクモの巣状や線状に広がって見える症状です。症状は顔の頬や鼻の周辺、足や手の表面に現れ、軽度の場合もあれば重度の広範囲にわたる赤みとして現れることもあります。
炎症は伴わず、痛みやかゆみなどの不快感はほとんどありません。ただし、美容的な観点から悩みとなるケースが多く、放置すると赤みが進行する場合もあります。
毛細血管拡張症は自然に治らないため、症状に気づいたら医療機関で専門医の診察を受けましょう。
毛細血管拡張症の原因
毛細血管拡張症の発症にはさまざまな原因が関与しています。ここでは体質や遺伝、生活習慣や環境要因の視点から詳しく解説します。
体質や遺伝によるもの
毛細血管拡張症は体質や遺伝が原因となる場合があり、皮膚が薄く敏感な方は現れやすい傾向にあります。また、血管壁が弱い体質の方は血管が拡張しやすいため、毛細血管拡張症が発症しやすいようです。
家族に毛細血管拡張症の既往がある場合、発症リスクが高まるため特に気をつけましょう。さらに、ホルモンの影響も大きいといわれており、妊娠や更年期などホルモンバランスが変化する時期に発症する場合があります。
体質や遺伝的な要因が関係している場合は根本的な予防が難しいですが、適切なスキンケアや生活習慣の見直しで症状を緩和することに期待できます。
生活習慣や環境が与える影響
生活習慣や環境要因も、毛細血管拡張症の発症に影響するため注意が必要です。たとえば、寒暖差が激しい環境にさらされると、血管が収縮と拡張を繰り返すため、毛細血管が拡張したまま元に戻らなくなる場合があります。
さらに、アルコールの摂取は血管を拡張させる作用があり、過剰に摂取することで症状が悪化する場合もあります。これらの生活習慣や環境要因による毛細血管拡張症を予防するには、生活のリズムを整えることや、寒暖差の影響を軽減する工夫が必要です。
また、アルコールや喫煙を控えることで、発症リスクを下げることに期待できます。
足に毛細血管拡張症ができる原因と治し方
足にできる毛細血管拡張症は、蜘蛛の巣のようにみえることから、スパイダースキンとも呼ばれています。ここからは、足に毛細血管拡張症が現れる原因や症状、治療方法について解説します。
原因と症状
足に毛細血管拡張症が発生する主な原因には、血流の停滞にあります。立ち仕事や長時間座りっぱなしの生活は、下半身の血流を悪化させ、毛細血管が拡張する要因となります。
症状としては、足の皮膚に蜘蛛の巣状または網目状に赤や紫の線が現れるのが特徴です。これらの血管は皮膚表面に近い部分で拡張しているため、特に目立ちやすく、美容面で悩む方も少なくありません。
炎症や痛みは伴いませんが、症状が進行すると足のだるさや重さを感じたり、足がつりやすくなったりする場合があります。
治療方法
足に現れる毛細血管拡張症の治療方法には、レーザー治療や硬化療法などがあります。レーザー治療は、照射することで血管を破壊し、消滅させる方法が一般的です。レーザー治療には、痛みが少なくダウンタイムも短い特徴があります。
硬化療法は、拡張した血管に硬化剤を注入して閉塞させ、なくしてしまう方法です。ただし、硬化療法後はしこりや色素沈着が生じる場合があるため、医師と相談して行う必要があります。
毛細血管拡張症の予防には、長時間同じ姿勢を避け、適度な運動を心がけることが大切です。血流を改善するために、着圧ソックスの着用や足を高くして休む習慣を取り入れると良いでしょう。
まとめ
この記事では、毛細血管拡張症の治し方について、自力でできる改善方法から塗り薬・飲み薬の使用、部位別の治療法などを詳しく解説しました。自力で改善するには、適切なスキンケアや生活習慣の見直しが必要です。
塗り薬や飲み薬の使用はレーザー治療と併用することで、効果に期待できる場合があります。また、毛細血管拡張症は医師の指導どおりに治療を受けることで、保険適用での治療も可能です。
この記事を参考に、自分に合った治療法を見つけ、毛細血管拡張症に適切に対処しましょう。
記事監修者プロフィール

院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
-
- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
-
- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医