赤ちゃんのあざは手術しないと治らない?治療法や手術のケースを解説
赤ちゃんにあざが発症すると、手術をしなくてはならないのかと不安を感じます。負担はないのか、リスクはあるのかと赤ちゃんが心配です。
今回は赤ちゃんのあざの治療法と手術を行う可能性があるあざ、手術を行うケースを解説します。
赤ちゃんにあざが発症し不安になっているお母さんやお父さんは、最後まで読んでみてください。
赤ちゃんに手術をする可能性があるあざ
赤ちゃんのあざの治療で手術を行うことは少ないです。
基本的にはレーザー治療で、医師の判断によって薬と併用します。しかし、症状によっては手術も治療の選択肢としてあげられます。
赤ちゃんに手術をする可能性があるあざを解説します。
色素細胞性母斑
色素細胞性母斑はメラノサイトが集まって茶色から黒く見えるあざです。
大きさや形状によって3つに分類され、ほくろもその一つです。
- 「ほくろ」
数mm〜1.5cmくらいの大きさのあざ。 - 「通常型」
1.5cm以上のあざで、硬い毛が生えているものはベッカー母斑。 - 「巨大型」
体は6cm以上のあざで頭のあざは9cm以上の大きさ。
色素細胞性母斑は悪性化のリスクが高いです。巨大型が最も高いですが、ほくろや通常型もまれに悪性化します。
多くの場合、完全に取り除くことが推奨されます。また、レーザーが効きにくく、治療は手術で行われることが多いです。
表皮母斑
表皮母斑は表面がザラザラとしているのが特徴の凹凸のある茶色のあざです。
症状によって3つの種類に分類されます。
- 「限局型」
あざが固まっており、一カ所、またはさまざまな部位に多数現れる。 - 「広範型」
手足や体で線状に並んでいる。 - 「炎症型」
薄い淡紅色で線状に並んでいる。強いかゆみを伴う。
原因は不明ですが表皮の細胞が過剰に増殖し、1000人に1人の割合で発症します。
レーザーであざを削り取るか、大きさによっては手術であざを取り除いて治療します。
乳児血管腫(いちご状血管腫)
乳児血管腫の腫瘤型も手術を行うことがあります。
乳児血管腫は血管内皮細胞(血管の壁を作る細胞)の過剰な増殖によって発症する赤いあざです。
3種類があり、その一つである腫瘤型はいちごのように赤く盛り上がっているのが特徴です。
基本的にレーザーで治療しますが、医師の判断によって薬と併用し、まだ盛り上がりが高い場合は手術を行います。乳児血管腫で手術をすることはめったにありません。
乳児血管腫は生後1〜2週間で発症し、生後5カ月ごろまでに急速に大きくなることがあります。発症後は早めにクリニックに相談することをおすすめします。
くわしくはこちらでも解説しています。併せてご覧ください。
赤ちゃんのあざ治療で手術をするケース
赤ちゃんのあざの状態によっては手術を行う場合もあります。
- 色や形に変化がある
- 痛みや違和感・出血がある
- 体の機能に影響がある
赤ちゃんのあざ治療で手術をするケースを解説します。
色や形に変化がある
ほくろのようなあざで1〜2年で色や形に変化がある場合、手術を行うことがあります。
メラノーマ(悪性黒色腫)の可能性があるためです。メラノーマは皮膚がんの一つで、ほくろやシミと似た見た目です。
治療するには完全に取り除く必要があるため、手術を行うことがあるのです。
痛みや違和感・出血がある
あざに伴い痛みや出血がある場合、手術を行うことがあります。
悪性化のリスクがあったり疾患が原因のあざだったりするためです。皮膚がんや紫斑病、血友病などは症状として痛みや出血を伴うあざが現れることがあります。
治療するには手術で疾患の原因となる組織を取り除く必要があるのです。
体の機能に影響がある
目や口など、体の機能に影響がある場合も手術を行います。
目の周りにあり視力に影響があったり鼻や口の周りにあり呼吸に影響があったりした場合です。
レーザーや薬は治療に時間がかかります。個人差やあざの種類によって違いますが、半年以上かかることもあります。
そのため、すぐに改善できる手術を行うことがあるのです。
赤ちゃんのあざの治療法
赤ちゃんのあざの治療は基本的にレーザーで行います。
色素に反応するレーザーを使用することで以下のようなメリットがあるためです。
- 血管やメラニンにピンポイントで作用するため肌の負担が少ない
- 色素に反応するレーザーを使用するため、幅広いあざに対応できる
- 皮膚を切開しないため、傷跡や副作用のリスクが少なくダウンタイムも短い
- 薬よりも早く効果が実感できる
ほかにも医師の判断によって薬と併用したり手術を行うこともあります。
しかし、あざが消えなかったり傷跡や出血のリスクがあったりするため、レーザーによる治療が主流となっているのです。
赤ちゃんのあざ治療でよくある質問
あざ治療に関するよくある質問をまとめました。
膨らみやしこりを伴うあざは手術をした方が良いですか?
膨らみやしこりを伴うあざでもレーザーで治療をすることが多いです。
レーザーは肌表面に膨らみやしこりがあっても血管やメラニンに作用します。
そのため、大きさや部位によっては手術をする必要はありません。
手術で赤ちゃんのあざ治療を行う場合、保険は適用される?
保険が適用されるかはあざの種類や症状によって違います。
赤あざや青あざの場合、保険適用されるのはレーザー治療です。色素細胞性母斑の治療や体の機能に影響がある場合は手術で保険が適用されます。
あざの種類や症状によって違うため、保険適用されるかどうかは医師に確認してください。
赤ちゃんのあざを手術するならクリニック茗荷谷へ
赤ちゃんのあざ治療は必ず手術をするわけではありません。多くの場合、レーザーや薬との併用で治療が可能で、手術は最終手段です。
それでもあざ治療で赤ちゃんが手術をすることになりそうな場合は皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷へご相談ください。
クリニック茗荷谷は子どものあざ治療に特化しています。
経験が豊富で技術力が高い医師が、赤ちゃんの負担を最小限にするよう配慮しながら手術を行います。お母さんやお父さんも安心していただけます。
記事監修者プロフィール
院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
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- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
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- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医