赤ちゃんの肩にあるあざはなに?あざの種類や特徴を詳しく解説
赤ちゃんの肩にあざがあると痛みや触れ合いが不安になります。
今回は赤ちゃんの肩にできるあざの種類や特徴について解説します。
赤ちゃんの肩にできやすいあざの種類と特徴
赤ちゃんの肩にできやすいあざの種類は以下のとおりです。
- 単純性血管腫
- 乳児血管腫(いちご状血管腫)
- 色素細胞性母斑
- 表皮母斑
- 扁平母斑(カフェオレ斑)
また、まれに発症するあざもあります。
- 「伊藤母斑」(青あざ)
肩や鎖骨、腕の片側のみに現れることが多い。面積が広くなることがある - 「異所性蒙古斑」(青あざ)
お尻や腰以外にできた蒙古斑。8歳ごろまでに自然と消えることが多いが、大きいものや濃いものは成人後も残ることが多い - 「太田母斑」(青あざ)
顔の片方に現れる - 「毛細血管拡張症」(赤あざ)
顔や四肢に現れることが多い
異所性蒙古斑以外は消えません。
今回は赤ちゃんにできやすいあざについて、それぞれの特徴を解説します。
単純性血管腫
単純性血管腫は血管の異常形成によって現れる生まれつきの赤いあざです。
3種類あり、すべて肩に現れることがあります。
-
「ウンナ母斑・サーモンパッチ」
- 凹凸がなく平ら
- 指で押すと一瞬色が薄くなる
- 泣いたりお風呂に入ったりして血流が良くなると色が濃くなる
-
「ポートワイン母斑」
- 赤色で境界線がはっきりとしていて平ら
- 濃くなる、大きくなる、盛り上がってデコボコになることがある
特にウンナ母斑はうなじや後頭部、肩などに現れやすいです。
ウンナ母斑は3歳ごろ、サーモンパッチは1歳ごろまでに約50%が薄くなります。ポートワイン母斑は消えません。
消えない場合は大人になっても残ることがあり、個人差によって違いますがレーザー治療などで改善が期待できます。
乳児血管腫(いちご状血管腫)
乳児血管腫は血管内皮細胞の異常増殖によって発症する赤あざで、生後1〜2週間に現れます。
- 「局面型」
赤く、平らか少しだけ盛り上がっている - 「腫瘤型」
赤く盛り上がってデコボコしており、いちごのような見た目 - 「皮下型」
皮膚の下に隠れて膨らみだけ現れるため、見た目は肌の色か青色
7歳ごろまでに約75%が薄くなりますが、凹凸や赤み、皮膚のたるみなどが残ることがあります。
腫瘤型は生後5カ月ごろまでに急速に大きくなったり広がったりして体の機能に支障が出る可能性があり、早急な治療が必要です。
基本的にレーザーで治療を行いますが、医師の判断によっては内服薬と併用したり手術を行ったりします。
色素細胞性母斑
色素細胞性母斑はメラノサイトが原因で現れる茶色から黒色のあざです。生まれつきや生後に全身に発症します。
- 「ほくろ」
数mm〜1.5cmの大きさ
全身に現れる - 「通常型」
1.5cm以上が多い
硬い毛が生えていることもある
大きさが急に変わることがある - 「巨大型」
体のあざは6cm以上、頭のあざは9cm以上
悪性化する可能性がある
巨大型は悪性化してがんになるリスクが高く、手足のほくろや通常型もまれに悪性化します。
レーザーや手術で治療を行います。心配な方は医師に相談してください。
表皮母斑
表皮母斑は表皮の細胞が刺激を受けて過剰に増殖し、生まれつきや生後数カ月で現れる茶色のあざです。
1000人に1人の割合で肩や首周り、手足など広い範囲に発症します。
- 「限局型」
あざが固まっていてさまざまな部位に多数現れる - 「広範型」
手足や胴体に線状に並んで現れる - 「炎症型」
薄い淡紅色で線状に現れる
強いかゆみを伴う
消えることはなく、成長で色やサイズ、形状が変わることがあります。
レーザーや手術であざを取り除くことで治療します。
扁平母斑(カフェオレ斑)
扁平母斑は全身に出来る茶色や青色のあざです。
皮膚の浅い層にメラニンが増えたのが原因で生まれつきか思春期に発症します。
毛が生えた扁平母斑がベッカー母斑です。思春期に発症しますが、まれに赤ちゃんのときから発症することもあります。
色やサイズに変化はありますが、消えることはありません。
治療が難しく再発率が高いのが特徴です。
赤ちゃんの肩にあるあざに関するよくある質問
赤ちゃんの肩にあるあざに関するよくある質問です。
不安がある方は読んでみてください。
肩にあざがある赤ちゃんを抱っこしても問題ない?
基本的に痛みはないため、配慮をすれば抱っこをするのは大丈夫です。
- あざに負担をかけないように優しく抱っこする
- 抱っこしても服で擦れないようにガーゼであざの保護をする
- 赤ちゃんが痛みや不快感を感じたら、すぐに抱っこをやめる
心配な方は医師に相談してください。
肩のあざが増えることはあるのか?
以下のあざは増えたり大きくなったりすることがあります。
- 乳児血管腫
- 単純性血管腫(ポートワイン母斑)
- 扁平母斑
- 色素細胞性母斑
ほかのあざは増えることがほぼありません。
肩のあざは放置しても良い?
どのあざでも放置しないことが大切です。
大きさや形状に変化が現れ、体の機能に支障が出る可能性があります。
- 色が濃くなる
- 面積が広くなる
- 盛り上がりデコボコになって出血しやすくなる
- 悪性化のリスクがある
特に「乳児血管腫」は早急な治療が求められます。
また、命にかかわらない扁平母斑は治療が難しく、幼少期のうちに治療を始めた方が効果がでやすいです。
あざは放置しないようにしましょう。
赤ちゃんの肩のあざをレーザー治療する際、痛みは強い?
症状やレーザーの種類、個人差によって違います。
赤ちゃんは皮膚が大人の約半分程度しかなく、また、肩は骨と近い部位です。レーザーの衝撃が骨に響きやすく痛みを感じる可能性があります。
しかし、赤ちゃんの回復力は高いため、治療後の回復も早いです。また、必要に応じて麻酔クリームを使うなど、痛みの対策をします。
赤ちゃんの肩にあるあざの診察はクリニック茗荷谷で
赤ちゃんの肩に現れるあざは治療できるものが多いです。しかし、種類が多く専門的な診断と最適な治療法が必要です。
赤ちゃんの肩にあるあざは皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷にご相談ください。知識や経験が豊富な医師によって最適な治療法を提案してくれます。
しっかりと治療すれば子供の将来が健やかなものにできますよ。
記事監修者プロフィール
院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
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- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
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- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医