赤ちゃんにしこりのあるあざがある!あざの種類や治療法を詳しく解説
赤ちゃんにしこりを伴うあざがある場合、悪性の可能性や痛みが心配になります。
今回は赤ちゃんにできるしこりを伴うあざの種類や治療法について解説します。
赤ちゃんにしこりのあるあざが現れて不安になっているお母さんやお父さんは、最後まで読んでみてください。
赤ちゃんにできるしこりがあるあざの種類
赤ちゃんにはしこりがあるあざができることがあります。
しこりは皮膚や体内にできる「できもの」や「こぶ」です。
硬さや大きさ、痛みの有無は原因によって異なります。基本的に良性ですが悪性に変わることもあります。
赤ちゃんにできるしこりがあるあざを解説します。
乳児血管腫(いちご状血管腫)
乳児血管腫は生後1〜2週間後に現れ、盛り上がることが多い赤いあざです。
100人に1〜2人の割合で発症し、特に女の子に多いです(男の子:女の子=1:5〜10)。
血管内皮細胞(血管の内側を覆う細胞)の過剰な増殖によって現れ、深さによって3つに分類されます。
- 「局面型」
赤くて盛り上がりがない、もしくはわずかに盛り上がっている。 - 「腫瘤型」
いちごのように赤く盛り上がってもこもこしている。 - 「皮下型」
見た目は肌の色か青色で、皮膚の下に隠れて膨らみだけ現れる。
いちご状血管腫の75%は7歳ごろまでに自然と薄くなることが多いですが、皮膚のたるみや赤み、凹凸に跡が残る場合もあります。
また、乳児血管腫は生後5カ月ごろまでに急速に拡大して膨らむことがあります。症状が現れたらなるべく早く受診してください。
乳児血管腫の治療法
乳児血管腫の治療法はVbeamレーザーの照射か、Vbeamレーザーとヘマンジオルシロップ®の内服薬の併用です。
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「レーザー」
- 局面型
- 腫瘤型
- 顔や頭などの見える部位にある
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「レーザーと内服薬の併用」
- 皮下型
- 目の周囲など機能に影響がある
- 脇の下など摩擦の起きやすい場所にある
症状や発症部位によって治療法が異なります。
レーザーの場合、乳児血管腫が拡大する生後5カ月ごろまでは、1〜2カ月に1回のペースでレーザーを照射します。その後は3カ月に1回のペースです。
内服薬と併用の場合、クリニックに通院し数日〜1週間おきに3〜4回服用します。そのあとは2週間〜1カ月ペースで通院し、問題なければ診察(&レーザー)のみです。
まれに最終手段として手術を行う場合もあります。
詳しくはこちらでも解説しています。併せてご覧ください。
単純性血管腫
単純性血管腫は血管の異常形成によって現れる生まれつきの赤いあざです。
境界線がはっきりとしていて平らですが、成長に伴い面積が広がったり盛り上がってデコボコになったりすることもあります。
1000人に3人の割合で発症し、自然に消えることはありません。
デコボコになると出血しやすくなって治療が難しくなるため、なるべく早い治療が推奨されています。
単純性血管腫の治療法
単純性血管腫の治療はVbeamレーザーが主流です。
3カ月に1回のペースでレーザーを照射し、少しずつあざを薄くします。10回以上かかることもあり、治療には時間がかかります。
赤ちゃんの単純性血管腫をレーザーで治療する場合、回数に制限がなく保険が適用されるため、費用の負担は少ないです。
表皮母斑
表皮母斑は生まれつきか生後2〜3カ月で発症する茶色のあざです。
表面がザラザラとした凹凸で、3つの種類に分けられます。
- 「限局型」
あざが固まっていてさまざまな部位に多数現れる。 - 「広範型」
手足や胴体に線状に並んで現れる。 - 「炎症型」
薄い淡紅色で線状に現れる。強いかゆみを伴う。
表皮の細胞が刺激を受けて過剰に増殖したのが原因です。
自然に消えることはありません。成長に伴い大きくなり、ごくまれに悪性化することもあるため、早急な治療を求められます。
表皮母斑の治療法
表皮母斑の治療法はレーザーであざを削り取るか手術です。
レーザーは比較的きれいに治りますが、色素沈着や凹凸が残ったり再発したりする可能性があります。
手術はレーザーに比べて再発のリスクが少ないですが、傷跡が残るリスクが高いです。
治療法は発症部位や大きさによって異なります。
赤ちゃんのしこりがあるあざを放置した場合
赤ちゃんのしこりがあるあざを放置してはいけません。
急に大きくなったり面積が広がることがあるためです。成長に伴い凹凸がひどくなったり皮膚が厚くなったりして治療が難しくもなります。
また、紫斑病や小児がんなど、あざに似た疾患の場合や疾患によってあざが発症していることもあります。
しこりがあるあざは放置せず、必ずクリニックで診てもらいましょう。
赤ちゃんのしこりがあるあざに関する質問
赤ちゃんのしこりがあるあざに関する質問です。
赤ちゃんは言葉で伝えられないため、不安になる親御さんは多いです。
疑問や不安を解消することで、多少は不安を和らげられますよ。
しこりがあるあざは痛みを伴いますか?
しこりがあるあざは痛みを伴うことはほぼありません。
しかし放置した場合、急に大きくなったり盛り上がったりして痛みが伴うこともあります。
痛みがないから、目立たないからと放置しないで、なるべく早く診てもらいましょう。
しこりがあるあざは治療すればすぐに治りますか?
すぐには治りません。治療や回復に時間がかかるためです。
薬は長期間飲む必要があり、レーザー治療は年単位かかります。手術の場合は術後1〜2週間で抜糸があり、副作用も現れるため落ち着くまで時間がかかります。
治療や回復に時間がかかるため、治療には時間がかかることを理解しておきましょう。
赤ちゃんのしこりがあるあざはクリニック茗荷谷に相談を!
赤ちゃんのしこりがあるあざは治療できることが多いです。しかし、疾患の可能性もあるため、治療には的確な診断が必要です。
赤ちゃんのしこりがあるあざが心配な方は、皮ふとこどものあざクリニック茗荷谷にご相談ください。
子どものあざ治療に特化したクリニックで、経験が豊富で技術力が高い医師が在籍しています。
子どもと親の両方に配慮した治療を行っているため、お母さんやお父さんも安心して治療を受けられますよ。
記事監修者プロフィール
院長杉本 貴子
Sugimoto Atsuko
- 経歴
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- お茶の水女子大学附属高等学校 卒業
- 獨協医科大学 卒業
- 国立国際医療研究センター 初期研修
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 助教
- 皮ふと子どものあざクリニック茗荷谷 院長
【関連病院】
- 東京美容医療クリニック
- 日本医科大学付属病院 形成外科・再建外科・美容外科 非常勤講師
- 資格
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- 医学博士
- 日本形成外科学会 専門医
- 日本形成外科学会レーザー 分野指導医
- 日本抗加齢医学会 学会認定専門医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- GSK社 重度腋窩多汗症ボトックス 認定医
- アラガン社 ボトックス・ヒアルロン酸 認定医
- クールスカルプティング 認定医