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単純性血管腫サーモンパッチ・ウンナ母斑

単純性血管腫とは何ですか?
単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)とは、皮膚の表面近くにある毛細血管が増え、赤あざとして現れた病気です。顔の単純性血管腫は年齢を重ねると盛り上がってくる場合がありますので、できるだけ早期の治療をおすすめします。
サーモンパッチとは
サーモンパッチ(正中部母斑)は新生児の約30%に見られる赤アザで、主に顔(おでこ・眉間・まぶた・唇の上など)に出現します。泣いたりお風呂などで血流が良くなると色が濃くなるのが特徴です。約50%は1歳頃まで、多くは3歳ごろまでに自然に消えることが多い症状です。顔の中央にある、色が濃い場合は消えない可能性があります。色素レーザー治療により赤みを薄くすることができます。

ウンナ母斑とは
ウンナ母斑は新生児の20~30%に発生し、約半数は大人になっても残ります。悪性化することはありませんが、気になる場合はレーザー治療を行います。諸外国では、コウノトリが赤ちゃんを運んだ時についた「幸運の印」として幸せの象徴とされることもあります。

なぜ単純性血管腫になるのか?
単純性血管腫は、皮膚の浅いところに血管が広がることで発生します。泣いたり、お風呂に入ったりしたときなど血流がよくなった時に毛細血管が拡張して赤みが濃くなることがありますが、体が冷えることで元に戻ります。また、あざをギュッとつまんだり、押したりするとパッと一時的に色が消えることがあります。
単純性血管腫-サーモンパッチになりやすい人
サーモンパッチは発生原因がはっきりしていません。遺伝が関係する場合あり、両親のどちらかにあるとお子さんにも遺伝する可能性が高まります。サーモンパッチはごく薄い場合もありますので、あることに気が付かないまま消失することもあります。ご両親にあざがあるからと言ってむやみに心配する必要はありません。
単純性血管腫-ウンナ母斑になりやすい人
ウンナ母斑は発生原因がはっきりしていませんが遺伝性もあります。妊娠中の出来事などは全く関係ありません。
治療方法は?
多くは1歳半頃までに薄くなっていく傾向にありますのでお子さんが1歳前後でしたら治療の必要性をご両親と相談します。2歳以上で赤あざが残存している場合には色素レーザー治療を行います。小児期は成人に比べ皮膚が薄く血管腫が浅い所に存在するため治療によく反応しますので効率よく改善します。
色素レーザー(Vビーム)を照射
症状のある箇所に対し、3ヶ月以上の間隔を空けながら、レーザー治療を行います。レーザー治療は色素レーザーという赤い色に反応するレーザーを当てて、単純性血管腫の原因である拡張した毛細血管を破壊して徐々に赤みを目立たなくしていきます。当院ではシネロン・キャンデラ社のVbeamⅡ (VビームⅡ) を採用しております。
お子さんの年齢が上がり、血管腫が結節状に盛り上がったものにはレーザーが無効な場合もあり、外科的に切除することもあります。

治療中に注意することはありますか?
- 色素レーザー照射によって血管が壊れるため、内出血(紫斑)が起こります。2週間ほどで改善します。
- 熱を加えるため、赤く炎症が起こったり、水ぶくれなど軽いやけどのような症状が出現する可能性があります。
- 炎症後の色素沈着が起こり、しばらく茶色く色がつくことがあります。半年以上かけて徐々に元に戻ります。ただし日焼けをすると長期化します。
- 色素脱失、瘢痕形成などの合併症が起こる可能性もあります。
- 副作用が落ち着かないまま次の色素レーザー治療をすると、炎症後色素沈着が悪化したり効果が出にくくなります。
- 施術後は軟膏治療や紫外線ケアを行います。医師の指示に従ってください。