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単純性血管腫ポートワイン母斑

単純性血管腫とは何ですか?
単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)とは、皮膚の表面近くにある毛細血管が増え、赤あざとして現れた病気です。顔の単純性血管腫は年齢を重ねると盛り上がってくる場合がありますので、できるだけ早期の治療をおすすめします。
ポートワイン母斑とは
単純性血管腫(ポートワイン母斑)は、毛細血管が拡張したり異常増殖したりしてできる良性の赤あざで、生まれつき生じるものです

なぜポートワイン母斑になるのか?
皮膚のすぐ下にある毛細血管が異常増殖してできる赤あざで、生まれつきで存在します。
単純性血管腫-ポートワイン母斑になりやすい人
単純性血管腫(ポートワイン母斑)は発生原因がはっきりしていません。遺伝性はなく、妊娠中の出来事なども全く関係ありません。
ポートワイン母斑にはどのような種類がありますか?
自然に消退することはなく、成長するにつれて身体の大きさとともに大きくなります。発生する部位によりリスクが異なります。
Sturge-Weber症候群(スタージ・ウェーバー症候群)
単純性血管腫が顔の片側のおでこから頬部にかけて広範囲に存在する場合は、Sturge-Weber症候群の可能性を考えます。
Sturge-Weber症候群はてんかん発作などの脳神経症状や緑内障などの眼症状を伴うことがあるため、早期の診断が重要です。
Klippel-Trenanay-Weber症候群(クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群)
単純性血管腫が1本の上肢または下肢のほぼ全体、もしくはそれ以上の範囲にある場合はKlippel-Trenanay-Weber症候群の可能性を考えます。
毛細血管だけではなく、静脈、動脈、リンパ管にも奇形を起こし、疾患の肢が肥大します。生まれつき手足の指に形態異常を合併することもあります。
治療方法は?
単純性血管腫は自然に消えることはなく、大人になると色が濃く、皮膚が分厚くなりぼこぼこと腫瘤ができることがあるため、赤ちゃんのうちから治療を開始します。
色素レーザー(Vビーム)を照射
症状のある箇所に対し、3ヶ月以上の間隔を空けながら、レーザー治療を行います。レーザー治療は色素レーザーという赤い色に反応するレーザーを当てて、単純性血管腫の原因である拡張した毛細血管を破壊して徐々に赤みを目立たなくしていきます。当院ではシネロン・キャンデラ社のVbeamⅡ (VビームⅡ) を採用しております。
お子さんの年齢が上がり、血管腫が結節状に盛り上がったものにはレーザーが無効な場合もあり、外科的に切除することもあります。

治療中に注意することはありますか?
- 色素レーザー照射によって血管が壊れるため、内出血(紫斑)が起こります。2週間ほどで改善します。
- 熱を加えるため、赤く炎症が起こったり、水ぶくれなど軽いやけどのような症状が出現する可能性があります。
- 炎症後の色素沈着が起こり、しばらく茶色く色がつくことがあります。半年以上かけて徐々に元に戻ります。ただし日焼けをすると長期化します。
- 色素脱失、瘢痕形成などの合併症が起こる可能性もあります。
- 副作用が落ち着かないまま次の色素レーザー治療をすると、炎症後色素沈着が悪化したり効果が出にくくなります。
- 施術後は軟膏治療や紫外線ケアを行います。医師の指示に従ってください。