Bruise
太田母斑

太田母斑とは何ですか?
顔に現れる青あざです。1939年に日本人の太田正雄先生が世界で初めて報告した青あざの一種で、英語でも「Nevus of Ota」と呼ばれる日本人の名前がついた母斑です。 色素細胞(メラノサイト)が皮膚の深いところ(真皮)に集まって出現します。生後すぐに現れる「早発型」と思春期に現れる「遅発型」の2種類があります。太田母斑は80%が女性に発症します。

太田母斑はナゼなるのか?
太田母斑は発生原因がはっきりしていませんが、胎児期の皮膚メラノサイト(メラニンを作っている細胞)の定着過程に何らかの問題があるのではないかと推察されています。
太田母斑にはどのような種類がありますか?
太田母斑・軽傷型
眼窩型:右か左の目の周りにだけ青あざができます。
頬骨型:右か左の頬骨上に三日月上の青あざができます。
前額型:右か左の眉の上にだけ青あざができます。
鼻翼型:鼻の穴の横にだけ青あざができます。
太田母斑・中等度型
左右のどちらかの眼周囲に青あざが見られます。
太田母斑・重症型
左右のどちらかの眼周囲から頬、額にかけて青あざがみられます。
伊藤母斑
肩の周りにできる太田母斑と同じ様な症状の青あざは伊藤母斑と呼ばれます。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
20−30代で発症し、ひたい・頬・小鼻などに左右対称に見られるあざは太田母斑とは区別してADMと呼ばれます。
蒙古斑・異所性蒙古斑
蒙古斑は生後1週から1ヶ月ころまでに、青いシミがお尻や背中の下部にみられるもので、胎生期の真皮メラノサイトの残存と考えられています。
太田母斑の治療方法は?
太田母斑の治療は、ルビーレーザーで過剰なメラニン色素を壊す治療を行います。
ルビーレーザーを照射
保険適用となります。ルビーレーザーの治療では薄い青あざは1回で終わることもありますが、症例によっては3~6ヶ月以上の間隔を空けて5回以上の治療が必要となることがあります。皮膚が薄い幼少時の方が治療効果も高く、治療開始が早いほど少ない治療回数で高い効果が得られます。
太田母斑の治療中に注意することはありますか?
- 熱を加えるため、赤く炎症が起こったり、水ぶくれなど軽いやけどのような症状が出現する可能性があります。
- 炎症後の色素沈着が起こり、しばらく茶色く色がつきますが半年ほどかけて元に戻ります。ただし日焼けをすると長期化します。
- 色素脱失、瘢痕形成などの合併症が起こる可能性もあります。
- 副作用が落ち着かないまま次の色素レーザー治療をすると、炎症後色素沈着が悪化したり効果が出にくくなります。
- 施術後は軟膏治療や紫外線ケアを行います。医師の指示に従ってください。