Bruise
ホクロ(色素細胞性母斑)

ホクロとは何ですか?
皮膚の一部にメラニンを産生する色素細胞が集まることで生じる良性の色素斑です。生まれつきあるものや、成長とともにできるものがあり、色や形、大きさはさまざまです。一般的に健康上の問題はありませんが、まれに悪性化することがあるため、注意が必要です。

ホクロはナゼなるのか?
皮膚の色素細胞(メラノサイト)が局所的に増殖することで形成されます。遺伝的な要因や紫外線の影響により発生することがあり、思春期や妊娠中にホルモンの影響で増えることもあります。一般的には良性ですが、急激に大きくなる場合や形がいびつな場合は、専門医の診察を受けることが推奨されます。

ホクロができやすい人
遺伝的要因が大きく関与するため、家族にホクロが多い方はできやすい傾向にあります。また、紫外線を頻繁に浴びる方や、肌が白い方は新しいホクロができやすくなることがあります。ホクロの形成は自然なものであり、生活習慣や遺伝の影響によるものが多いため、過度に心配する必要はありません。
ホクロにはどのような種類がありますか?
母斑細胞母斑は、生まれつきの先天性と後天性の2種類に分類されます。
先天性
顕微鏡で観察すると、母斑細胞の位置によって以下の3種類に分類できます
境界母斑
母斑細胞が表層(真皮表皮接合部)に存在します。
複合母斑
境界母斑と真皮内母斑の混合型します。
真皮内母斑
新生児1,母斑細胞が深層(真皮)に存在します。
境界母斑→複合母斑→真皮内母斑 と時間とともに変化することがあります。
ほくろの細胞が皮膚の深く(真皮)で増えるにつれて、だんだんと盛り上がっていきます。
後天性
Miescher(ミーシャー)母斑
顔、頭、首にできる、丸く盛り上がった黒茶色のほくろです。時々、毛が生えることもあります。子供の頃にできはじめ、ほくろの細胞は逆三角形の形で皮膚の中に広がります。時には、皮膚の深い層まで達することもあります。顔にあるほくろを取りたい人の多くは、このタイプのほくろを持っています。ほくろの細胞がどのくらい深くまであるかによって、「複合母斑」か「真皮内母斑」に分けられます。
Clark(クラーク)母斑
手のひらや足の裏を含め、体のどこにでもできる平らな茶色っぽいほくろの一種です。ほくろの細胞は、皮膚の表面近くにあるものと、少し深いところにあるものの2種類があります。このClark母斑は、普通の黒子(いぼ)から発展したものだと考えられています。
Spitz(スピッツ)母斑
主に子どもや若い人にできるほくろの一種です。子どもの頃にできることが多く、半分は幼児期に現れます。お年寄り(60歳以上)にはほとんど見られません。体のどの部分にもできる可能性があります。色は黒っぽい茶色や赤っぽい色をしています。見た目が悪性の皮膚がん(悪性黒色腫)に似ていることがあるので、医師による確認が大切です。このほくろは、皮膚の浅い層から深い層まで、様々な深さにできることがあります。
ホクロの治療方法は?
ホクロの治療には、レーザー治療や外科的切除があります。
ルビーレーザーを照射
比較的小さく、浅いホクロの場合、ルビーレーザーを使用して色素を除去します。1回で取りきれることもありますが、色が濃いものや深い層にあるものは複数回の施術が必要になります。

外科的切除
大きなホクロや、盛り上がりのあるホクロ、悪性の疑いがあるホクロは、メスで切除する外科的治療が適用されます。切除後は縫合を行い、傷跡が目立たないように処置します。

ホクロの治療中に注意することはありますか?
- 熱を加えるため、赤く炎症が起こったり、水ぶくれなど軽いやけどのような症状が出る可能性があります。
- 炎症後の色素沈着が起こり、一時的に色が濃くなる場合がありますが時間とともに元に戻ります。ただし日焼けをすると長期化します。
- 色素脱失、色素沈着、瘢痕形成などの合併症が起こる可能性があります。
- 副作用が落ち着かないまま次のレーザー治療をすると、炎症後色素沈着が悪化したり効果が出にくくなります。
- 施術後は軟膏治療や紫外線ケアを行います。医師の指示に従ってください。