Bruise
表皮母斑

表皮母斑とは何ですか?
皮膚の表皮が部分的に増殖することで生じる先天性の茶あざです。新生児1,000人に1人ほどの割合で生まれつき存在し、成長とともに変化することもあります。茶色や黄褐色のまだら模様が特徴で、一般的に胴体や手足に現れます。軽度のものは目立ちにくいですが、広範囲に広がる場合や、盛り上がりが強くなることもあります。
表皮母斑はナゼなるのか?
胎生期の発育過程で表皮の一部が異常増殖し、皮膚の特定部分に過剰に形成されることで発生します。遺伝的な要因は明確にはされていませんが、皮膚の形成異常によるものと考えられています。
表皮母斑になりやすい人
先天性疾患の一つであり、出生時から存在することが多いですが、幼児期や思春期に新たに発生することもあります。男女差はなく、誰にでも発生する可能性があります。
表皮母斑にはどのような種類がありますか?
表皮母斑は、以下の3つのタイプに分類されます
限局性(疣状母斑)
限られた範囲に出現するタイプで、褐色のあざが固まって存在します。これらは単発的に現れる場合もあれば、体の複数の場所に多発的に出現する場合もあります。
広範型(列序性母斑・線状母斑)
主に四肢や体幹部に現れ、特徴的な線状のパターンを形成するあざです。黄褐色から暗褐色まで様々な色調を示し、皮膚の発生線(ブラシューコー線)に沿って配列します。片側性に出現することが多いのが特徴です。
炎症型
硬い触感を持つ淡紅色のあざが線状に配列します。強い掻痒感(かゆみ)を伴うのが特徴で、特に下肢に好発します。
表皮母斑の治療方法は?
表皮母斑の治療はレーザー治療や手術による治療などがあります。
Qスイッチレーザーを照射
軽度の表皮母斑には、Qスイッチレーザーや炭酸ガスレーザーを使用して色を薄くする治療が可能です。

外科的切除
盛り上がりが強いものや広範囲にわたる場合は、外科的に切除する方法が選択されることもあります。

表皮母斑の治療中に注意することはありますか?
- 熱を加えるため、赤く炎症が起こったり、水ぶくれなど軽いやけどのような症状が出現する可能性があります。
- 炎症後の色素沈着が起こり、しばらく茶色く色がつきますが半年ほどかけて元に戻ります。ただし日焼けをすると長期化します。
- 色素脱失、色素沈着、瘢痕形成などの合併症が起こる可能性があります。
- 副作用が落ち着かないまま次のレーザー治療をすると、炎症後色素沈着が悪化したり効果が出にくくなります。
- 施術後は軟膏治療や紫外線ケアを行います。医師の指示に従ってください。